資料の添削や契約書のレビューといったように、送られてきたPDFファイルの内容を確認するシーンは多々あります。また、自分の作成したPDFファイルに補足説明を加えたいケースもあるでしょう。
そんなときに便利なのが、PDFファイル内に注釈を付けられるツールです。
今回は、ソフトをインストールしなくても利用できる、無料の「Adobe Acrobat オンラインツール」をご紹介します。入れられる注釈の種類が豊富で、複数人で同時に注釈を付けることも可能なので、作業効率化を強力に後押ししてくれるはずです。
目次
PDFに注釈を付けるなら「Acrobat オンラインツール」がオススメ
Acrobat オンラインツールを使えば、こんな注釈を付けられる
PDFに注釈を付けるなら「Acrobat オンラインツール」がオススメ
PDFファイルに注釈を付ける際には、PDFの開発元であるアドビが提供している「Acrobat オンラインツール」を使うのがオススメです。Acrobat オンラインツールがオススメである理由は、大きく以下の3つです。
【理由1】デバイスを問わず無料で使える
Acrobat オンラインツールは無料で利用できます。ブラウザー上で使えるオンラインツールなので、ソフトのインストールは不要。ログインすれば誰でもすぐに利用可能です。
Windows・MacといったOSを問わず、普段とは違うPCを使う場合であっても、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもPDFファイルに注釈を入れられます。
なお、この記事で紹介する注釈機能をタブレットやスマホで利用したい場合は、Adobe Acrobat Readerのモバイルアプリをインストールしてください。インストールおよび利用は無料です。
以下のリンクからアプリをダウンロードできます。
【iOS版】Adobe Acrobat Readerモバイルアプリをインストールする
【Android版】Adobe Acrobat Readerモバイルアプリをインストールする
「PDFファイルを他の形式に変換する」「PDFファイルを圧縮する」といった機能は、タブレットやスマホでも、アプリなしでオンライン上で利用できます。
記事後半の注釈以外にも便利な機能が盛りだくさんの「Acrobat オンラインツール」も参照してください。
【理由2】PDFをリンクで共有できる
注釈を入れたPDFファイルを共有する際、ダウンロードしてメールやチャットツールに添付するだけでなく、共有用のリンクを発行して相手に送ることも可能です。PDFファイルをメールやチャットツールに添付したり、更新のたびにダウンロードしたりといった手間がかからないため、ファイル管理がラクになります。「最新版のファイルをどこに保存したのかわからなくなりがち・・・」といった問題に悩んでいる方にオススメです。
また、リンクで共有すれば、複数のユーザーで同時に注釈を入れることもできます。複数人の視点で文書チェックを進めたい場合に便利です。
【理由3】安全に使える
Acrobat オンラインツールは、アップロードされた情報を暗号化します。ログインせずにAcrobat オンラインツールを利用した場合、アップロードしたデータはサーバーから削除されるので安全です。ログインした場合は、アップロードや変換をしたファイルは暗号化してクラウドストレージに自動で保存され、いつでも削除できます。
(セキュリティに関する取り組みについて詳しくはこちらもご確認ください)
このように、Acrobat オンラインツールには、PDFファイルへの注釈作業にぴったりの特長が揃っています。
では続いて、Acrobat オンラインツールを使って付けられる注釈の種類をご紹介します。
Acrobat オンラインツールを使えば、こんな注釈を付けられる
Acrobat オンラインツールで注釈に使える機能は、以下のとおりです。
- コメント付ける
- テキストを入力する
- 手書きで線を書き込む
- 円で囲む
- ハイライト(マーカー)や下線を引く
- 取り消し線を引く
1.コメントを付ける
注釈を入れたい箇所を指定して、コメントを付けられます。
コメントを付けた箇所には吹き出しマークが表示され、コメント内容は画面右側に表示されます。長文のコメントも書き込めるので、詳細な意見や説明を記載するのに便利です。
2.テキストを入力する
PDFファイル内に直接、テキストを入力できます。
テキストボックスを挿入して、特定の部分にコメントを付けることが可能です。比較的短文の注釈や指摘を記載するのに向いています。
3.手書きで線を書き込む
マウスやタッチパッドを使って、フリーハンドで線を描画できます。
直感的な操作で書き込みができ、カンタンな図形を描くことも可能です。線の色や太さを変えることもできるので、注釈の意図によってニュアンスの使い分けができます。
4.円で囲む
重要なポイントや注意すべき項目を、円で囲って強調できます。
円の大きさや色を変えたり、囲んだ箇所にコメントを追加したりもできます。
5.ハイライト(マーカー)・下線を引く
特に注目してほしいテキストに、ハイライト(マーカー)や下線を付けられます。
ハイライトや下線で強調すると、注釈の付いた箇所に気づいてもらいやすくなります。色や太さを変えたり、複数の箇所をまとめて選択したりもできます。
6.取り消し線を引く
不要なテキストや誤ったテキストに、取り消し線を引くことができます。
線の色や太さは変更可能です。取り消し線を入れた箇所にコメントを追加することもできます。
Acrobat オンラインツールを使えば、このような注釈をカンタンに付けられます。では続いて、具体的にどのような手順で注釈を付けるのかを解説します。
Acrobat オンラインツールを使ってPDFに注釈を入れる方法
ここからは、Acrobat オンラインツールを使って注釈を入れる手順を解説します。Acrobat オンラインツールで使える注釈機能は複数ありますが、いずれも同じ画面上で操作可能です。
【手順1】Acrobat オンラインツールにPDFファイルをアップロードする
Acrobat オンラインツールの「PDFをオンラインで編集」のページにアクセスします。
画面中央の「ファイルを選択」をクリックし、デバイスに保存されているファイルを選択、またはボタン付近のエリアにファイルをドラッグ&ドロップしてください。
アップロードが完了したら、画面左のボタンからAcrobat オンラインツールに無料でログインします。ログイン方法は、Adobe アカウントに加えて、Google アカウント、Facebook アカウント、Apple IDから選べます。
なおログイン後、画面上部のリンクボタンをクリックすると、共有用のリンクを発行できます。注釈を入れた後のPDFファイルの共有に便利なだけでなく、リンクをメールやチャットツールで送れば、複数人で同時に注釈を入れることも可能です。
【手順2】ツールバーから使いたい機能を選択する
画面左端のツールバーから、使いたい機能のアイコンをクリックします。
1.コメントを追加する
ツールバーの吹き出しマークを選択します。ツールバー下部にある、色のついた丸いアイコンをクリックすると、コメントマークの色を選択できます。
コメントを付けたい箇所をクリックすると、コメントマークが表示され、コメントを入力できるようになります。入力したコメントは、画面右側に表示されます。
2.テキストを入力する
ツールバーから「テキストを入力」を選択します。ツールバー下部にある、色のついた丸いアイコンをクリックすると、テキストの色を選択できます。
フォームフィールド(テキストボックス)が表示されるので、テキストを追加したい位置までドラッグして移動し、テキストを入力します。
3.手書きで線を書き込む
ツールバーから「フリーハンドで描画」を選択します。
ツールバー下部にある、色のついた丸いアイコンをクリックすると、線の色を選択できます。鉛筆のマークが表示されたら、ドラッグで線を書き込みましょう。
4.円で囲む
ツールバーの「A」のアイコンをクリックし、「丸で囲む」を選択します。ツールバー下部にある、色のついた丸いアイコンをクリックすると、円の色を選択できます。
任意の箇所をクリックすると、円を追加できます。円の大きさを変更するには、円の隅をドラッグしてください。
5.ハイライト(マーカー)・下線を引く
ツールバーのペンのアイコンを選択し、「ハイライト表示」または「下線」をクリックします。ツールバー下部にある、色のついた丸いアイコンをクリックすると、ハイライトや下線の色を選択できます。
該当のテキストをドラッグで選択すると、線を引くことができます。
6.取り消し線を引く
ツールバーの「取り消し線」を選択します。色のついた丸いアイコンをクリックすると、線の色を選択できます。
該当のテキストをドラッグで選択すると、取り消し線を引くことができます。
続いて、よりスムーズに注釈を進めるためのコツをご紹介します。
注釈をスムーズに進めるための5つのコツ
注釈は、ただ付ければよいというものではありません。注釈の内容を相手に誤解なく伝え、きちんと反映してもらう必要があります。
ここからは、PDFファイルに加えた注釈を相手にスムーズに理解してもらい、誤解なく反映してもらうためのコツをご紹介します。これらのコツを意識することで、作業が円滑に進むはずです。
【コツ1】端的で理解しやすい表現にする
誤字脱字や文法のミスなど、明らかな間違いのある箇所は、修正内容を具体的かつ明確に示すようにしましょう。冗長な表現は避け、簡潔でわかりやすい表現を心がけてください。長文になる場合は、箇条書きにするのもオススメです。
【コツ2】相手に敬意を払った表現を意識する
注釈を付ける際には、相手への配慮を忘れないようにしましょう。明らかな間違い以外で文章の変更を提案する際には「~に変更するのはいかがでしょうか」のように、柔らかい表現を使うのがオススメです。相手の意見を尊重しながら、こちらの意思を伝えるようにしましょう。
注釈の数が多くなる場合、PDFファイル上で注釈を入れるだけでなく、必要に応じて対面やメールなどで相手とコミュニケーションを取るのも有効です。相手の意見に耳を傾け、理解を示すことで、スムーズに意思疎通できる可能性があります。
【コツ3】相手が直感的に理解できるよう工夫する
注釈の内容をじっくり読まなくても、内容が直感的に理解できるような工夫をしましょう。
例えば、レイアウト変更の提案は、テキストで説明するよりも、手書きでの描画を使って視覚的に示した方がわかりやすくなることがあります。
また「ページ数の多いPDFファイルのうち、一部のページにのみ注釈を付けている」という場面もあるでしょう。そのようなときは、注釈後のPDFを相手に返送する際に、どのページに注釈を付けているかを伝えるのも重要です。これにより、相手はスムーズに注釈箇所を見つけられます。
【コツ4】最新版のファイルがわかりやすくなるよう工夫する
注釈・修正のやり取りが重なると、いったいどのファイルが最新版なのかがわからなくなることがあります。こうした事態を防ぐために、ファイル名のつけ方を工夫しましょう。
例えば「ファイル名の先頭に、数字で日付を記載する」という方法があります。2024年6月1日に注釈を入れたファイルの場合、「240601」のような文字列を付けたファイル名にするとよいでしょう。
他にも「常に最新版のファイルを格納するフォルダを決めておく」という手段もあります。
ファイルのやり取りだとどうしても混乱するという場合は、ファイルの形式ではなく、リンクでの共有も検討するとよいでしょう。
【コツ5】注釈の反映期日を設定しておく
せっかく注釈を入れても、相手が確認や反映をしてくれなければ意味がありません。期日を設定することで、進捗管理がスムーズになります。期限は事前に相手に伝え、了承を得ておきましょう。
注釈以外にも便利な機能が盛りだくさんの「Acrobat オンラインツール」
Acrobat オンラインツールでは、PDF関連の20以上の機能を無料でご利用いただけます。注釈を付けるだけでなく、PDFファイルを扱うあらゆる場面で便利に活用できます。
例えば以下のように、PDFファイルの構成や見た目を整えられる機能があります。
他にも、共有したPDFファイルの確認依頼をする際に便利な機能も利用できます。
さらに、有償版のAdobe Acrobat Proなら、Acrobat オンラインツールの全機能を回数無制限で使えます。それに加えて、電子署名やOCR(文字認識)といった機能もご利用可能です。(※ Creative Cloudのコンプリートプランを既にご契約中の方も、回数の制限なく全機能をお使いいただけます)
Acrobat オンラインツールの詳しい情報については、以下の記事で解説されています。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
PDFファイルへの注釈がカンタンにでき、作業をスムーズにしてくれる「Adobe Acrobat オンラインツール」を、ぜひお試しください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
関連記事
以下の記事では、PDFに関するお役立ち情報をご紹介しています。Adobe Acrobat オンラインツールを使って、日々の業務を効率化する方法をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
【無料】PDF分割・抽出のおすすめツールと機能の上手な使い分け方 | Adobe
無料の「Adobe Acrobat オンラインツール」でカンタンにPDFを分割・抽出する方法を解説。目的に応じて使い分けることで、より効率よく編集作業ができます。
【無料】複数のPDFを結合して1つにまとめる方法(オンラインで完結) | Adobe
無料の「Adobe Acrobatオンラインツール」を使ってPDFを結合する方法を紹介。最大100件のファイルをひとつにまとめられます。
【PDFをOCRでテキスト認識】オンラインでWordやExcelに変換も | Adobe
PDFをOCRでテキスト認識・検索可能にする方法を紹介。無料の「Adobe Acrobat オンラインツール」を使って、WordやExcelに変換する方法も解説します。