優れたプロジェクト企画書の要素とは?

プロジェクト企画書とは以下の点を明記する文書です。

  • プロジェクトの流れを説明する
  • 主要なステークホルダーとオーディエンスとなる人々を明確にする
  • タイムラインから予算まで、プロジェクトの重要な部分を含んでいる

プロジェクトを承認する人々が知る必要のある、成功への道を示すプロジェクト企画だと考えてください。

プロジェクト企画書とは何か?

プロジェクト企画書とは、プロジェクトの概要を示す文書で、このプロジェクトがステークホルダーの支援を得るにふさわしいものであることを、彼らに説得しなければなりません。プロジェクト企画書は、様々な状況で使われます。学術関係、マーケティング、サービス業、教育分野、建設関係、金融、製造、保健サービス、その他、どの業界に身を置いていても、プロジェクト企画書を自分で書いたり、作成に携わったりすることになるでしょう。

優れた企画書は、承認されると契約につながります。良く書かれた企画書は、財務、成果物、一定期間に完了する業務または提供するサービスに関連した条件などの必要項目を明記しているからです。

プロジェクト企画書を書く理由

多くの場合、企画書は資金またはその他のリソースを入手するために書かれますが、時には合弁の提案、リーダーシップを表すため、士気を上げるため、多くの人に参加を求めるため、作業を始める準備ができたことをオーディエンスに知らせるため、などの目的で書くこともあります。

例えば、リサーチの企画書の場合、それを書いている人は学生かプロのリサーチャーで、アドバイザー、同僚、資金提供をする組織などに、自分のリサーチが価値のあるものだということを示す必要があるのかもしれません。ファッションデザイナーなら、販売店に自分の製品が彼らのブランドに良く合い、利益を生む助けになることを示すために企画書を書くことでしょう。マーケティング部門の部長なら、会社の重役に今年のマーケティングプランの概要を示すために、プロジェクト企画書を書くでしょう。

どんな状況であっても、企画書はそれを読む人に何らかの行動を起こしてもらおうと、彼らを説得するために書かれた文書なのです。自分がそのプロジェクトをおこなう本人であっても、企画書が自分自身より、それを読む人に焦点を当てて書かれていると、企画書の内容は受け入れられやすくなります。自分の問題ではなく、顧客の問題への解決策を提供しましょう。自分のゴールではなく、彼らの長期にわたるゴールに焦点を当てましょう。

企画書を書くことで、提案先に対して真摯に取り組む姿勢や準備ができていることを表すことができ、企画書を書く過程でプロジェクトの始まりから終わりまでの過程を整理することができます。企画書はしっかりとした構成で書く必要がありますが、まず内容を計画してリサーチしなければ、準備は整いません。

A person sitting at a desk with green foliage, working on a laptop

プロジェクト企画書にはどのような種類がありますか?

業界によってプロジェクト企画書のスタイルは異なりますが、通常は、大きく2つのカテゴリーに分けられます。それは、提案依頼書がある場合と、ない場合です。

提案依頼書がある場合は、それに応えて企画書を書きます。多くの会社や組織は他の会社に、必要なサービスを要求するために提案依頼書を送ります。そうした会社や組織は何らかの問題を抱えているか、特定の作業を必要としていて、それを引き受けてくれる会社を探す必要があります。提案依頼書には、要求されるツールや製品、締め切りなど企画書に必要な情報がすべて記載されているため、企画書の書き手にとっては便利です。

一方、依頼書がなく、会社や組織が問題の解決策や特定の作業を積極的に求めていなくても企画書を書くことができます。その場合は、自分から先方の担当者にコンタクトを取り、企画書が適切な人に渡るようにしなければなりません。また、自分の企画書がその組織にとってどのように役に立つのか理解するために、少し丁寧にリサーチする必要があります。

依頼書がない場合の利点は、競争相手が少ないか、まったくいないという点です。しかし、組織が積極的に何の提案も求めていない場合は、新しいプロジェクトに対してすぐに資金が出せなかったり、またすぐにプロジェクトを承認しないかもしれません。その場合は、さらに説得力を強め、どうしたら問題を解決できるか注意深く概要を説明する必要があります。依頼書のない企画書は、注意深く構成する必要がありますが、正式な文書を書く必要はありません。Eメールでも良いのです。

依頼書がある場合もない場合も、業界で優良とされている企画書の例を探しましょう。どんな形式にすべきか、読む人がどんな情報をそこに求めているかを学びましょう。

上記に述べた2つのカテゴリーの場合にも企画書を書きます。進行中の作業を継続する、プロジェクトを更新する、さらにリソースを要請する、コンサルティングを提供する、リサーチをおこなう、助成金やスポンサーを得る、などの例が挙げられます。また、教育費を得る場合、webサイトの構築やマーケティングキャンペーンなど、フリーランスとしておこなう仕事や契約しておこなう仕事の場合にも企画書が書かれることがあります。

また、不動産管理、製品の供給、法務サービスなどにも企画書が必要なこともあります。それぞれのタイプによって、そこに含まれる内容や用語は異なりますが、通常、どのような企画書にもいくつか中心となる要素があります。企画書を書いたら、Acrobat ReaderでPDFフォームを簡単に見直して校正してから、ステークホルダーに送信しましょう。

プロジェクト企画書はどのように構成されているか?

紙に印刷されていてもスライドであっても、企画書には目次が必要です。目次があれば検索が楽ですし、読む人は企画書がどのように進行するか、前もって見ることができます。それほど正式ではないEメールでも、全体像を一文のサマリにまとめると良いでしょう。以下のような項目を含めましょう。

企画の概要または要約

どのようなタイトルであっても、プランと目的をなるべく簡単に要約しましょう。企画書の長さと複雑さによって、一文から一段落ぐらいにまとめてください。

問題の記述

解決すべき問題と、その背景となる情報や状況の概要をまとめましょう。

解決策の提案

このセクションは「プロジェクトの目標」と呼ぶこともできます。詳細に入る前に、このプロジェクトが何なのか明確に述べます。そして、問題解決という点で、プロジェクトにどのような目的があるのか説明しましょう。

根拠

この時点で、提案する問題解決策が実際に上手くいく、という証拠を提供しなければなりません。複数の追加セクションを加える必要があるかもしれません。それはトピックに応じて異なります。通常、このセクションで提供する情報として、方法論、ツール、資格などがあります。

プラン

ここで、企画の道筋を示します。成果物のリストを書きます。タイムラインを提供します。料金を設定します。提案する解決策をどのように実行するか説明します。はっきりと具体的に説明し、相手を納得させるのに十分なだけの詳細を提供します。

署名

企画書が無事受け入れられたら、契約書を作成します。チームメンバーの署名と共に、受け入れ側がその提案を承認したことを示す、彼らの署名欄も加えましょう。

優れたプロジェクト企画書作成の3つの柱

どんなタイプの企画であっても、優れた企画書を作成するプロセスを知っておくのは良いことです。その仕事について把握していると、プロジェクトを承認してもらえるチャンスが高くなります。特に専門的な業界や、学術的な環境においてその傾向にあります。

企画書の概要をまとめて書き出す際、プロジェクトを立ち上げるために必要な作業をすべておこなう前に、3つの重要な質問について考えてみましょう。

第1の柱 - ターゲットとなるオーディエンスは誰か?

企画書を書く時には、誰がこれを読んで承認するのか理解しておく必要があります。オーディエンスが誰かわかっていると、文書の枠組みができてきます。オーディエンス、チームメンバー、意思決定者について、以下の質問を自分に問いかけてみましょう。

  • 彼らはこのプロジェクト、あるいは問題について、どれだけ知っているか?
  • 彼らが既に知っていることは何か?
  • 彼らが知らないことは何か?
  • 彼らはどんなことを聞きたいのか?どうしたら彼らの賛同を受けられるか?
  • 彼らは、このプロジェクトをどのように成功させたいのか?

企画書を読むオーディエンスの知識レベル、期待している事柄、背景などを知っていれば、企画書の成功率はいっそう高くなります。

例えば、オーディエンスがこのトピックについて、深い技術的知識を持っている場合、企画書に技術的な詳細が述べられていることを期待するかもしれません。しかし、もし承認権を持つ人達に基本的な理解しかない場合、例えば、違う業界出身という背景を持つ役員であったり、または彼らの専門外の分野の請負業務を探している場合など、特に注意して専門用語を避けたり、業界独自の言葉を一般的な言葉に直したりする努力が必要になります。

A person writing on a laptop in a sunny room.

第2の柱 - 解決しようとする問題は何か?

優れたプロジェクト企画書は、問題点と解決策、という枠組みの中に納められています。たとえ楽しい企画やエキサイティングなプロジェクトのアイディアがあったとしても、それがオーディエンスの抱える問題を解決しないなら、資金を投じるに足るとは判断してもらえないでしょう。

オーディエンスが何も問題を抱えていなくても、問題を提起して、その解決策を売る、というのは典型的なマーケティングの手段です。だからと言って、巧妙になる必要はありません。他の人々にとって何が問題なのかを注意深く考え、彼らにとって何が利点になるかという観点からプロジェクトを組めば良いのです。彼らが何を得なくてはならないのか、それを明確にしましょう。

さらに、企画書では現在起きている、あるいは未来に起きる可能性のある障害を予測するべきです。プロジェクトをあらゆる角度から考えていることを表せば、さらに説得力が生まれます。

自分独自のクリエイティブなアイディアを出さなければ、というプレッシャーを感じているか、思いつくことに苦労しているかも知れません。「世の中に新しいものなんて、何もない」という古典的な引用句もあります。

しかし、解決したい問題に焦点を合わせると、自分のプロジェクトが新しい角度、あるいは視点から、その問題を追求できることに気づくことでしょう。自分のプロジェクトは、おそらくそれ以前に出てきたプロジェクトと、同じような点を共有していることでしょう。自分が処理しようとしている問題点の範囲を認識し、そうした障害にどう対処するのか、答えを提供しましょう。これには価格、プロジェクトを展開する範囲、目標に向かううえで起こりうる障害などが含まれます。問題を解決する準備ができている姿勢を表すと、企画書が他からいっそう際立って見えます。

第3の柱 - 企画書をサポートする情報があるか?

リサーチから得た知見、数字、グラフ、チャートなど、なるべく多く企画書に含めると、企画書の内容が確実なものになり信用性を高めます。適切な数字は、説得力ある討論やスピーチを、さらに強力にバックアップしてくれます。しかし、簡潔にまとめてください。これは企画書であって、完全なリサーチの完全レポートではありません。

企画書の概要を考えて書くためのステップ

上記に述べた概念的なハードルを超えたら、自分のためのロードマップを作り始め、プロジェクト企画書の概要を書きましょう。

1. 問題点とプロジェクトの背景を定義する

解決したい問題が何であれ、企画書の最初の数段落で、それが何なのかをはっきりと書きましょう。提案依頼書を受け取っている場合、その依頼書に問題点が既に明記されていることがあります。冒頭部分が上手く書かれていればオーディエンスが内容全体をすばやく理解することができ、提案した解決策が受け入れられやすくなります。こうした冒頭のまとめは、エグゼクティブサマリーと呼ばれます。簡潔に説明をする「エレベーターピッチ」の役割を果たす部分と考えましょう。

例えば、オフィスの周りに大きなモミの木が数本あるとしましょう。その木は膨大な量の葉を落とし、雨どいを塞いでしまいます。その針葉樹の葉が雨どいに入らないように、網の設置を会社にお願いしたいと考えています。 その場合、まず、雨どいを頻繁に掃除するために支払う人件費と修理代の問題を示すことから始め、そして次のステップに進みます。

2. 解決策を明示する

問題点を明らかにしたら、さっそくそれを解決する方法へと進みましょう。 明確にした問題点をどのように解決するか、はっきりと、簡潔に、わかりやすく説明しましょう。上記の例で言えば、網の設置が解決策です。これなら針葉樹の葉が雨どいに入るのを防ぎ、雨水がスムーズに流れます。

3. 問題解決の成功、成果物、プロジェクトの予算を定義する

企画書の目的によって、成功の定義は変わってきます。タスクを完了するのも成功ですし、新しいプロジェクトを進めるために十分な情報を集めるのもそうでしょう。成功がどんな形であれ、自分の目標が何なのか示さなければなりません。

もし成功が段階を追って、あるいは部分的に達成されるなら、その成果物が何なのか企画書で明確にする必要があります。雨どいの例に戻りましょう。このプロジェクトにはいくつかの段階が考えられます。最初に雨どいを掃除して修理しなければなりません。次に網を設置します。最後に、どれだけの効果があるか評価しなければなりません。このようなプロジェクトの詳細が、企画書のこのセクションでは大変重要になります。

この部分を作成するときには、グラフ、ケーススタディ、指標、その他多くの詳細を盛り込むチャンスがあります。 スッキリと簡潔な書き方にすれば、オーディエンスはプロジェクトのタイムラインに関する必要な情報を、確実に理解することができます。Adobe Acrobat Proは文書を、表やチャートと共に、ワードプロセッサーからPDF形式へとシームレスに変換させます。

4.プロジェクト企画書を編集して、校正する

企画書が完成したら、本番に備えて編集と校正を念入りにしましょう。

プロジェクト企画書のためのAdobeツール

どんなタイプのプロジェクトであっても、Adobe Acrobatは、プロジェクト承認につながる良い企画書の作成に必要なツールを提供します。

企画書自体を作成する時に、チャート、写真、グラフィック、テキストなど、バラバラになった要素を一つにまとめる必要があるかもしれません。Acrobatの機能を使えば、企画書のページにすばやく手を加えることができます。

  • PDFの統合:Acrobatなら文書の結合は簡単です。スプレッドシート、個別のグラフィック、そのほかの文書などをPDF形式に変換して、結合ツールですべてまとめましょう。関連ファイルをたくさん添付するより、企画書をサポートする一つのまとまった資料として、必要な情報をすべてきれいに整ったPDFに収めましょう。並べ替えツールやページを整理ツールを使って、ファイルを適切な順番に整え、体裁がきれいに整ったPDFにしましょう。
  • PDFを圧縮:企画書を思い通りに結合してまとめたら、統合したPDFを圧縮しましょう。主要ステークホルダーやプロジェクト承認者と簡単に共有できます。

共有したら、コメントをつけてPDFを編集するツールで共同作業をしたり、他の人達からのフィードバックを反映しましょう。プロジェクト実現に向けての共同作業の始まりです。 さあ、企画書を提出してプロジェクトを成功させる準備はできましたか。

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