iPadでPDFに書き込む方法とうまく編集できない場合の対処法
ビジネスや教育の場において、iPadをはじめとしたタブレットを活用する機会が増えています。
IPadを使用していると、PDF資料にメモやコメントを書き込みたい場面も多いのではないでしょうか。
iPadを使ってPDFファイルに書き込むには、「iPadのマークアップ機能」を使ったり「Adobe Acrobat Reader」といったPDF閲覧ソフトを使ったりする方法があります。
この記事では、iPadでPDFファイルにメモを書き込む方法と、うまく書き込めない場合の対処法について解説します。
また、書き込みしたPDFファイルをほかの人へ共有する方法もお伝えします。
※本記事では「PDF」をファイルの形式(.pdf)を指す言葉として用います。
※本記事で紹介する内容は2023年5月時点の情報に基づきます。
iPadでPDFファイルに書き込む方法
あらためて、iPadでPDFにメモを書き込むには以下の2つの方法があります。
1. iPadのマークアップ機能を使う
2. アプリ版の「Adobe Acrobat 」(無料)を使う
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
1.iPadのマークアップ機能を使う
IPadに搭載されているマークアップ機能を使うことで、PDFファイルにメモを書き込めます。
新たにアプリをインストールする必要がないので、手軽にメモを書き込みたい方にオススメです。
【手順1】iPadの「ファイル」アプリから、書き込みたいPDFファイルを選択する
【手順2】書き込みたいPDFファイルのページを表示し、右上の「マークアップ」アイコンを選択する
【手順3】画面下部に表示されたツールバーからペンとインクの色を選択し、PDFファイルに直接書き込む
ツールバーの中には、ペン以外にもハイライトを引けるマーカーや消しゴムツールなどがあります。
書き込みを削除したい場合は、「一つ戻る」ボタンか「消しゴム」ツールで消すことができます。
なお、iPadの画面は指で操作できますが、PDFファイルに書き込む際は、Apple Pencilやタッチペンを用いることで、実際のペンのように書き込めます。
マークアップ機能のそのほかの機能
マークアップ機能は、メモ以外にも様々な書き込みができます。
ツールバーにある「+」ボタンを選択すると、「テキスト」「署名」「シェイプ」などを追加できます。
シェイプの中にある図形や吹き出しは、メモ書きの該当箇所を示したり、追加の情報を足したりしたいときに便利です。
2.Adobe Acrobat Readerアプリ(無料)を使う
続いて、無料のPDFリーダー「Adobe Acrobat Reader」のアプリを使って、メモを書き込む方法を解説します。
「Adobe Acrobat Reader」アプリは、メモ書きはもちろん、注釈機能を使えば手書きせずにテキスト入力でコメントを追加できます。
また、Adobe IDにログインして利用すれば、PCやスマホなど別のデバイスで編集作業を引き継げて便利です。
複数人のデバイスから同じファイルにアクセスし、同時にPDFファイルを編集することも可能ですので、ビジネスシーンでの使用にオススメです。
【Android版】Acrobat Readerをダウンロードする
なお、PCから利用する場合は、アプリのダウンロード不要でカンタンに使える「Adobe Acrobat オンラインツール」の「PDFを編集」がオススメです。テキストの入力や図形の挿入など、様々な編集が可能です。
【手順1】Adobe Acrobat Readerアプリを起動し、PDFを開く
【手順2】右下の「鉛筆マーク」を選択する
【手順3】「注釈」を選択する
【手順4】上部のツールバーから「鉛筆ツール」を選択し、書き込む
指で書き込むこともできますが、Apple Pencilやタッチペンを使ったほうが、よりスムーズに書き込めます。
書き込んだ内容を消したい場合は、「一つ戻る」ボタンか「消しゴム」ツールを選択して、消したい部分をタッチします。
【手順5】最後に左上の「完了」ボタンを押して保存する
Adobe Acrobat Readerのそのほかの機能
Adobe Acrobat Readerなら、手書きのほかにも様々な機能を利用できます。
ここでは、仕事や勉強でよく使う以下の3つの機能をご紹介します。
- ハイライトを入れる
- 打ち消し線を入れる
- 注釈を入れる
それぞれの使い方を見ていきましょう。
1.ハイライトを入れる
上部のツールバーから「ハイライトテキストツール」を選択します。
ハイライトのカラーを選び、該当の文章をドラッグで選択すると、ハイライトを入れられます。
また、ハイライトを入れた部分に追加でメモを書き込むことも可能です。
メモを書き込むと、このように吹き出しマークが付きます。
※ハイライトを入れられるのは、PDFファイルのテキストを選択できる場合に限ります。PDFの文字が画像になっている場合は、テキストを選択できないためハイライトは入れられません。
なお、文字が画像になっているPDFファイルからテキスト情報をもつPDFファイルに変換するための手段として「OCR処理」があります。OCR処理に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
2.打ち消し線を入れる
上部のツールバーから「打ち消し線ツール」を選択します。
打ち消し線のカラーを選び、該当の文章をドラッグで選択すると、打ち消し線を入れられます。
ハイライトと同様、打ち消し線を入れた箇所にメモを書き込むこともできます。
3.注釈を入れる
上部のツールバーから「ノート注釈ツール」を選択します。
注釈を入れたい部分をタップすると吹き出しが現れ、テキストが打ち込めるようになります。
テキストの打ち込みが完了したら、「投稿」をクリックすると注釈を入れられます。
Adobe Acrobat Readerを使えば、メモ書きだけでなく、上記のような機能が使用できます。
また、ほかの人にPDF資料を共有すれば、複数人で資料をブラッシュアップできます。
それでは続いて、PDF資料を共有する方法について解説します。
Adobe Acrobat ReaderでPDFファイルを共有する
Adobe Acrobat ReaderでPDFファイルを共有する方法は2つあります。
どちらの手順もカンタンですので、ぜひ覚えておいてください。
- 共有相手のメールアドレスに送信する
- PDFファイルのリンクを取得して共有する
それぞれの手順を解説します。
1.共有相手のメールアドレスに送信する
共有したい相手のメールアドレスを知っている場合は、この方法がカンタンです。
【手順1】右上の「共有ボタン」をタップする
【手順2】共有したい相手の電子メールアドレスを入力して、「注釈を許可」をオンにする
「注釈を許可」をオンにしないと、共有した相手がPDFファイルの注釈機能を使えませんのでご注意ください。
【手順3】右上の「送信」ボタンをタップする
「送信」ボタンを押すと、相手にはPDFファイルの共有リンクが記載されたメールが届きます。
2.PDFファイルの共有リンクを取得する
PDFファイルの共有リンクを取得して、相手に共有する方法です。
メールアドレスを知らない場合や、メール以外のツール(チャットツールやSNSのメッセージなど)で共有したい場合にはこの方法がオススメです。
【手順1】右上の「共有ボタン」をタップする
【手順2】「リンクを取得」をタップする
【手順3】「注釈を許可」がオンになっていることを確認し、「リンクを作成」をタップする
【手順4】「コピー」を押してPDFファイルの共有リンクをコピーする
共有用のアプリアイコンをタップすれば、チャットツールやメッセージに共有リンクをラクに貼り付けられます。
Adobe Acrobat Readerアプリでうまく書き込めない場合の対処法
最後に、Adobe Acrobat Readerアプリでうまく書き込めない場合の対処法について、以下の3つのケースごとに解説します。
- アプリが起動しない
- PDFファイルに書き込めない
- PDFファイルに書き込んだ内容が消えてしまう
1.アプリが起動しない場合の対処法
インストールしたアプリがそもそも起動しない場合は、一度アプリを端末から取り除いて再インストールしましょう。
次の手順に沿ってアプリを取り除けば、アプリ内のデータは保持されます。
【手順1】iPadの「設定」→「一般」→「iPadストレージ」をタップする
【手順2】「Acrobat」→「Appを取り除く」をタップする
※「Appを取り除く」ボタンの下に「Appを削除」というボタンがありますが、「Appを削除」のほうを押すとデータが消えてしまうので注意してください。
【手順3】iPadを再起動し、Adobe Acrobat Readerアプリを再インストールする
アプリを取り除いた後も、アイコン自体がiPadのホーム画面上に残っていることがあります。
アイコンの下に雲マークが表示されている場合は、アイコンをタップすることで再インストールできます。
2.PDFファイルに書き込めない場合の対処法
iPadでPDFファイルに書き込めないときは、そのPDFファイル自体に問題がある、あるいはiPadのOSをアップデートしたことでPDFファイルの編集権限が無効になっている可能性があります。
PCを使ってPDFファイルを保存し直すことで、解決する場合があるので試してみてください。
【手順1】PDFファイルをメールやチャットツールで自分宛に送り、PCで開く
Adobe IDでログインして開いたPDFファイルであれば、メールやチャットツールで送信しなくてもPC版のAdobe Acrobat Readerから開くことができます。
【手順2】右上の「印刷ボタン」をクリックする
【手順3】「送信先」からPDF保存できる任意のプリンターを選択して、「印刷」をクリックする
「印刷」をクリック後、保存先を選択して保存をしてください。
【手順4】保存したPDFファイルをiPadに移行し、書き込みができるか確認する
それでも解決しない場合は、解決のために行った手段やその結果などの詳細をまとめたうえで、アドビのサポート窓口 にお問い合わせください。
3.PDFファイルに書き込んだ内容が消えてしまう場合の対処法
Adobe Acrobat Readerアプリで書き込んだ内容が反映されていない場合、アプリまたはファイル自体に問題がある場合があります。
以下の対処法を、順に試してみてください。
【対処法1】Adobe Acrobat Readerアプリを最新版にアップデートする
【対処法2】「1.アプリが起動しない」で紹介した方法でアプリを再インストールする
【対処法3】「2.PDFに書き込めない」で紹介した方法でPDFファイルを保存し直す
それぞれの対処法を実施しても書き込んだ内容が反映されない場合は、解決のために行った手段やその結果などの詳細をまとめたうえで、アドビのサポート窓口 にお問い合わせください。
iPadを使ってPDFファイルの書き込み・共有をスムーズにしましょう
この記事では、iPadを使ってPDFファイルにメモを書き込む方法や、PDFファイルをカンタンに共有する方法、うまく書き込めない場合の対処法について解説しました。
Adobe Acrobat Readerなら、PDFファイルへの書き込みや共有がスムーズに行えるだけでなく、共有設定しておくことで複数人のデバイスから同じ資料にアクセスできます。そのため、オンライン上で同時に書類のチェックやレビューができて便利です。
なお「社用PCを使っていて、自由にアプリをダウンロードできない」という相手にPDFファイルを共有し、テキストの入力や図形の挿入といった編集をしてもらいたい場合もあるでしょう。そんなときは、相手にAcrobat オンラインツールの「PDFを編集」を利用してもらうのが便利です。ブラウザー上で利用できるので、アプリのダウンロードが不要ですぐに使えます。PDFファイルへの書き込みに加えて、結合や抽出、圧縮といった、PDFに関する25種類以上の機能を無料で使用できます。
Acrobat オンラインツールの詳しい情報は、以下の記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
また、以下の記事では、iPadでPDFファイルを保存・閲覧・編集する方法について解説しています。iPadでPDFファイルを効率的に活用したい方は、ぜひチェックしてみてください。
(制作:園田もなか、ノオト、ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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