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議事録の上手い人が実践している書き方【メモ取りのコツや作成例も】

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議事録の上手い人が実践している書き方【メモ取りのコツや作成例も】
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議事録は、会議での決定事項を共有したり、認識齟齬をなくして後々のトラブルを防止したりと、ビジネスにおいて重要な役割をもっています。

そのため、議事録を作成する際は、会議の内容を正確に記録し、誰が読んでもわかりやすいものにすることが必要です。

しかし、議事録の作成方法を教えてもらう機会はそう多くありません。

いざ議事録を取ることになり、以下のような悩みをもったことはないでしょうか。

・そもそもどのような議事録を作ればよいかわからない

・会議のスピードに追い付けず、大事なポイントを書き留められない

・効率のよい議事録の取り方がわからない

スピーディに抜け漏れなく議事録を取るには、会議中だけではなく会議前後のアクションも重要です。

そこで、この記事では議事録作成のプロセスを「会議前」「会議中」「会議後」の3段階に分け、それぞれ意識すべきコツを解説します。

ぜひ、この記事の内容を参考に、議事録作成に臨んでみてください。

議事録の目的と形式

議事録は、会議で議論した内容や決定事項を関係者へ正確に共有し、認識の齟齬を防ぐための資料です。

会議内容を一字一句漏らさずに記録する「文字起こし」とは異なり、議事録では会議の要点や結論を記録します。

そうすることで、関係者が「短時間で」「正確に」会議内容を把握できます。

つまり、議事録は会議の「ダイジェスト版」だと言えるのです。

なお、議事録には、大きく分けて以下の2つの形式があります。

1. 要約型

2. 時系列型

以下で、それぞれの形式でどのような点を意識すべきかを解説していきます。

どちらの形式を選ぶかは、会議の目的や内容、規模、参加者などに応じて判断してください。

1.要約型の議事録

要約型の議事録では、議論の要点や結論、決定事項のみをまとめます。

時系列に沿って発言者および発言内容を記録するのではなく、トピックごとに議論の要点をまとめるようにしましょう。

要約型の形式は、誰が何を言ったのかよりも、議論の「概要」や「決定事項」が重視される場合に適しています。

例えば、日常的なチームミーティングや、プロジェクトの進行状況を確認する会議などで用いられるケースが多いです。

2.時系列型の議事録

時系列型の議事録では、会議の内容を時系列に沿ってまとめます。

発言者ごとに発言内容を要約し、会議がどのように進行し、どのような経緯で結論が出たかがわかるように記録しましょう。

時系列型の議事録は、取締役会といった公式な会議や、重要な決定がなされる会議など、結論に至るプロセスも重視される会議で用いられます。

また、参加者がそれぞれ異なる意見を持っている場合や、顧客からの問い合わせ対応を記録する場合などにも便利です。

続いて、議事録の基本的な構成要素を解説します。

構成要素を把握しておくと、具体的にどのような議事録を取ればよいのかがわかります。

議事録に必要な7項目

「要約型」と「時系列型」のどちらで議事録を取る場合でも、一般的な議事録には以下の7つの項目が必要です。

1.会議のタイトル

どの会議の議事録なのかがひと目でわかるよう、会議のテーマを端的に記載しましょう。

2.日付

会議が行われた日を、西暦や年号から記載します。

いつ実施された会議だったかがわかると、後から参照する際に便利です

3.参加者

会議に参加した人の所属・名前を記載します。

議事録の内容から参加者が明らかな場合は、省略してもかまいません。

4.議題

会議のメイントピックを記載します。

複数の議題について話が進む場合は、どの議題について記載しているのかがわかるよう、議題を区別して記載しましょう。

5.決定事項

会議で決定した内容を記載します。

6.保留事項

会議中に結論が出ず、次回以降に持ち越しとなった内容を記載します。

保留事項に書いた内容を次の会議で取り上げるようにすれば、議論すべき内容が流れてしまうのを防げます。

7.タスク

会議で決定した、次に取るべきアクションを記載します。

担当者や期限も記載しておきましょう。

以下のサンプルは、架空の空気清浄機「エアリス」開発会議の議事録を、上記で紹介した構成に沿って作成したものです。

サンプルを見ながら、正確でわかりやすい議事録のイメージを掴んでください。

■タイトル

空気清浄機「エアリス」の製品開発検討会議

■開催日

2023年5月9日(火)

■参加者(敬称略)

山田太郎、佐藤花子、鈴木一郎、高橋美穂

■議題:エアリスの現在の市場ニーズ分析について

・エアリスは、40代ユーザーをメインの対象顧客とする

【理由】

・高価格帯の空気清浄機は、主に40代ユーザーからの需要が高い

【背景】

調査結果から見えた40代ユーザーの特徴

・空気清浄機の購入予算のボリュームゾーンは8~10万円(次点は5~7万円)

・お子さんのいるユーザーが多く、アレルギーや空気汚染への対応を求めている

・技術に対する関心があり、スマートホームとの連携機能をポジティブに評価している

■決定事項

・エアリスは、40代のユーザーをメインの想定ユーザーとする

・製品開発とマーケティング施策の両面で、新しい市場ニーズへの対応をおこなう

■保留事項

・新たな市場ニーズへの具体的な対応策は今後さらに検討

■タスク

●山田

・SNSマーケティング戦略の具体的なプランを作成し、次回の会議までに提出。

⚫︎佐藤

・現行モデルのウイルス除去機能を調査し、次回の会議で報告

会議前に、ここで紹介した7項目を議事録用のドキュメントやノートに転記しておくと、会議中のメモが取りやすくなります。

議事録のテンプレートとして、ぜひ活用してみてください。

続いては、議事録作成の具体的なコツを、会議前、会議中、会議後のプロセスに分けてご紹介します。

議事録作成のコツ

議事録作成のプロセスは、大きく以下の3つに分けられます。

1. 会議前の準備.

2. 会議中のメモ取り

3. 会議後の文章調整

冒頭でもお伝えしたように、精度の高い議事録を取るには、会議中だけでなく、会議前後のアクションも重要です。

会議前、会議中、会議後の各プロセスにおける具体的なコツを、以下で解説します。

1.会議前の準備

議事録は会議中に取ったメモをもとに作成するので、「会議前の準備」と聞いてもピンとこない方も多いでしょう。

しかし、精度の高い議事録を取れるかどうかは「会議前の準備に左右される」と言っても過言ではありません。

会議の進行についていけず、あとから自分のメモを見ても会議の内容がよくわからなかった・・・という事態にならないよう、事前にしっかりと準備をしておきましょう。

事前にしておくべき準備は、主に以下の4つです。

1. 会議の目的や流れを把握しておく

2. 議事録を取る目的を把握しておく

3. 参加者の名前と敬称の付け方を知っておく

4. IMEの単語登録をしておく(PCの場合)

1.会議の目的や流れを把握しておく

会議前に、アジェンダに目を通したり、過去の議事録を読み返したりして、その会議の「目的」や「流れ」を確認しておきましょう。

会議の「目的」を把握しておくと、発言者の意図を理解しやすくなったり、議事録に書くべきポイントを掴みやすくなったりします。

また、会議の「流れ」を把握しておくことで、議論の展開を予測しやすくなります。

結果として、焦らずに議事録が取れるようになるのです。

2.議事録を取る目的を把握しておく

会議の内容を一言一句漏らさずにメモするのは困難です。

そのため、事前に議事録を取る目的を把握し、記録すべきポイントを押さえておくことが重要です。

具体的には、議事録の目的が「報告」か「記録」かによって、以下のように記録すべきポイントが異なります。

■1.報告用の議事録の場合

決定事項や重要事項といった「内容」を共有するための議事録であるため、「内容」を軸にして作成します。

この場合、適している議事録の形式は「要約型」です。

大きなトピックごとに、議論の内容を要約して記載します。

決定事項をメインで記載し、プロセスとなる議論は省略するのがポイントです。

一部抜粋すると、以下のような議事録になります。

議題:エアリスの現在の市場ニーズ分析について

・エアリスは、40代ユーザーをメインの対象顧客とする

【理由】

・高価格帯の空気清浄機は、主に40代ユーザーからの需要が高い

【背景】

調査結果から見えた40代ユーザーの特徴

・空気清浄機の購入予算のボリュームゾーンは8~10万円(次点は5~7万円)

・お子さんのいるユーザーが多く、アレルギーや空気汚染への対応を求めている

・技術に対する関心があり、スマートホームとの連携機能をポジティブに評価している

■2.記録用の議事録の場合

誰が何を言ったか、というやりとりを残すための議事録であるため、「発言者」を軸にして作成するよう意識します。

この場合、適している議事録の形式は、やりとりを発言順にまとめる「時系列型」です。

このタイプの議事録の例は、以下のようになります。

■議題:エアリスの現在の市場ニーズ分析について

●山田さん

高価格帯の空気清浄機は主に40代のユーザーからの需要が高い。

よって、エアリスがターゲットとすべきは40代のユーザー。

●佐藤さん

高価格路線は問題ないが、最高でも10万円までに抑える必要がある。

空気清浄機の購入予算のボリュームゾーンが8~10万円であり、次点が5~7万円。

●鈴木さん

40代ユーザーは、お子さんがいて、アレルギーや空気汚染への対策を求めている人が多い。

また、この層は技術に対する関心が高く、スマートホームとの連携機能をポジティブに評価している。

機能性が十分であれば、ある程度の価格帯までは許容されるのでは。

3.参加者の名前と敬称の付け方を確認しておく

参加者の名前を事前に把握しておくと、スムーズに議事録用のメモが取れます。

また参加者の敬称の付け方は、以下のルールを知っておくと安心です。

■社内メンバーのみが参加する会議の場合

社内メンバーだけが参加する会議の場合、基本的に敬称を省略できます。

敬称を付けない場合は、「便宜上、敬称を付けていない」という意図を伝えるために、議事録の上部のわかりやすい箇所に「敬称略」と記載しましょう。

■社外の人も参加する会議の場合

社外の人には、必ず敬称を付けましょう。

社外の人の敬称を省略するのは失礼にあたるため、「敬称略」を使うのは避けてください。

敬称には「様」や「さん」だけでなく、「部長」や「課長」といった役職名も含まれます。

逆に、自社のメンバーは身内なので、社外の人に見せる議事録では敬称を付けないのがマナーです。

4.IMEの単語登録をしておく(PCの場合)

IMEとは、各OSにデフォルトで備わっている文字変換システムです。

PCで議事録を取る場合には、よく使う言葉や表現をIMEに単語登録しておけば、最初の数文字だけで入力が完了し、メモを取るスピードが格段に上がります。

例えば、以下のような単語や表現を登録しておくとよいでしょう。

これらはあくまでも参考なので、ご自身の状況によって変更してください。

(例)「ぱわぽ」・・・「PowerPoint」

(例)「やま」・・・「山田部長」

■入力に時間がかかる単語

(例)「こみ」・・・「コミュニケーションスキル」

■よく使う記号

(例)「しか」・・・「■」

(例)「まる」・・・「●」

(例)「さん」・・・「▼」

2.会議中のメモ取り

議事録作成の中で特に難易度が高いのが、この「会議中のメモ取り」です。

会議中にメモを取る際には、とにかくスピードが重要です。

会議で発言されている内容を一言一句逃さずに記録しようとすると、とても間に合いません。

効率的にメモを取るために、以下の4つのコツを知っておきましょう。

1. キレイに取ろうとしない

2. 略語を用いる

3. 記号や装飾を有効活用する(PCの場合)

4. 図を有効活用する(手書きの場合)

1.キレイに取ろうとしない

整った文章でメモを取ろうとすると、会議のスピードについていけず、重要な部分を聞き逃してしまう可能性が高まります。

会議中に取るメモは、あくまでも「自分用の備忘録」と割り切りましょう。

文章は会議が終わってから調整できるので、後で見返したときに自分がわかる程度のメモでかまいません。

ある程度のタイピングミスや誤字脱字があったり、走り書きになったりしても気にしないでください。

ただし、数字や固有名詞など、議事録をまとめるうえで重要な情報は書き漏らさないようにしましょう。

「すべて記録しておかなければ、重要な情報を聞き逃してしまいそうで不安」という場合は、事前に許可を取ったうえで、会議の内容を録音しておくのもひとつの手です。

2.略語を用いる

繰り返し登場する表現は、例えば以下のような略語を用いてメモを取ると、記録のスピードが上がります。

■略語の例

(例)「プロジェクト」・・・「PJ」

(例)「コンバージョン」・・・「CV」

会議中のメモの時点では、他人に伝わらない略語で書いていてもかまいません。

後で清書する際に、きちんと伝わる表現に調整すればよいのです。

3.記号や装飾を有効活用する(PCの場合)

PCでメモを取る場合には、記号や装飾をうまく活用すると、情報を短時間で整理しやすくなります。

以下は、メモを取る際に便利な記号や装飾の例です。

■矢印(→ ↓ など)

「結果」や「変化」といった、情報の関係性を示す際に使用できます。

■四角(■)、丸(●)、三角(▼)

文の先頭に付けることで、簡易的な見出しとして使用できます。

例えば、「■」は大きな見出し、「●」は中くらいの見出し、「▼」は小さな見出し、といったルールを決めておくことで、情報の構造を把握しやすいメモが取れます。

■区切り線

情報を区切る際に使用します。

WordやGoogleドキュメントといった文書作成ツールには、区切り線を挿入する機能があります。

テキストエディタのように区切り線の機能がないツールを使う場合、「-」や「━」といった記号をいくつか並べて区切り線の代わりにすることもできます。

例えば、先ほどご紹介したIMEの単語登録を使って、「せん」と入力すると「—————————」や「━━━━━━」といった区切り線が記載できるように準備しておくとよいでしょう。

■マーカー(ハイライト)

WordやGoogleドキュメントといった文書作成ツールを使う場合、マーカー機能をうまく活用しましょう。

理解が追いつかなかったり聞き逃したりした部分にマーカーを付けておくと、後から確認しやすくなります。

これらの記号・装飾を使うと、以下の画像のようにメモの構成がわかりやすくなり、会議後の文章調整がしやすくなります。

黄色いマーカーを付けている部分は、会議中に聞き逃した箇所を表しています。

記号や装飾を活用して取った会議中のメモの例

4.図を有効活用する

メモを取る際、すべてを文章で記録するよりも、図を用いたほうが効率が良い場合があります。

図を使えば、要素同士の関係性を視覚化できるため、振り返りにも役立ちます。

手書きだけでなく、PowerPointなどのツールを用いて簡単な図を作れるようになっておくと便利です。

メモを取る際に使える、オススメの図の種類を、以下で3つご紹介しておきます。

■1.ベン図

複数の要素における共通の領域を把握しやすくする図です。

以下は「Will(自社がしたいこと)」「Can(自社ができること)」「Needs(対象顧客が求めていること)」を整理したベン図の例です。

Will・Can・Needsを図示したベン図の例

■2.ポジショニングマップ

縦と横の2軸を用いて、要素ごとの関係性やポジションの違いを明示する図です。

自社と競合の位置づけを図示したポジショニングマップの例

■3.相関図

複数の要素の相関関係を示す図です。

ユーザー・カスタマーサポート・開発チームの3者の関係を図示した相関図の例

3.会議後の文章調整

会議後は、会議中に取ったメモをもとに、文章を調整します。

関係者にできるだけ早く議事録を共有するために、ここでもスピード感が重要です。

以下の5つのコツを意識しながら、スピーディかつ効率的に文章を調整してください。

1. 記憶が鮮明なうちに文章を調整する

2. 構成に沿って情報の順序を入れ替える

3. 自分以外が読んでも理解できる文章にする

4. 要点を端的に記載する

5. 提出前にフィードバックしてもらう

1.記憶が鮮明なうちに文章を調整する

会議中に急いで取ったメモは、時間が経つと自分でも読解不能になってしまいがちです。

そのため、会議が終わったら、できるだけ記憶が鮮明なうちに文章を調整しましょう。

2.構成に沿って情報の順序を入れ替える

会議中に取ったメモの内容を、情報の構造がわかりやすくなるよう、議事録の構成に沿って並べ替えます。

以下に、一般的な議事録の構成を再掲しますので、参考にしてください。

1.会議のタイトル

2.日付

3.参加者

4.議題

5.決定事項

6.保留事項

7.タスク

3.自分以外が読んでも理解できる文章にする

メモ取りの段階では、会議のスピードについていくために省略して記載していた言葉があるはずです。

議事録を見る人全員が理解できる略語であれば問題ありませんが、自分にしかわからない略語の場合は、他の人も理解できる言葉に直しましょう。

また、PREP法を活用して結論から伝える文章にしたり、できるだけ端的な表現にしたりといった調整を行うことで、短時間で理解しやすい文章になります。

そのほか、曖昧な表現はできるだけ具体的にし、断定できる箇所は断定表現を使うなどして、誰がどう読んでも同じ意味に解釈できる文章を目指しましょう。

4.要点を端的に記載する

議事録は、共有された人が「できるだけ短時間で」「正確に」会議の内容を理解できるよう意識して作ります。

そのためには、要点を端的にまとめた文章を心がけましょう。

●調整前

具体的な詳細についての議論は、今週末の開発定例会議の中で実施。

▼調整後

詳細は今週末の開発定例会議で議論。

一文が長くなる場合には、以下のように箇条書きを活用するのもオススメです。

●調整前

エアリスの対象顧客は、家族の健康に気を遣っている40代以上の人たち。

▼調整後

エアリスの対象顧客

・家族の健康に気を遣っている

・40代以上

ただし、どれだけ端的にまとまった文章だとしても、会議の内容を正確に共有できなければ、議事録としての役割は果たせません。

情報量を圧縮するために表現を変えるのはよいですが、発言の意味まで変えてしまわないように注意しましょう。

5.共有前にフィードバックしてもらう

議事録の文章調整が済んだら、関係者に共有する前に、上司や先輩にフィードバックを依頼しましょう。

議事録に抜け漏れがないかはもちろん、議論の解釈に間違いがないか、不要な内容を書いてしまっていないかをチェックしてもらいます。

特に、社外の人に共有する議事録は、内容が誤っているとトラブルのもとになる可能性があるので、フィードバックを受けるのは必須だと考えてください。

上司や先輩に、フィードバックを依頼する旨を事前に伝えておくとよいでしょう。

議事録を共有する際のコツ

議事録が完成したら、関係者に共有します。

共有する際には、以下の点を意識してください。

ファイル名は「管理のしやすさ」を意識する(PCの場合)

議事録のファイルは、命名ルールを決めておくと管理しやすくなります。

オススメの命名ルールは、「ファイル名の先頭に、会議の実施日を表す数字を入れる」という方法です。

ファイル名の先頭に日付を入れると、いつ作られた書類なのかがわかりやすくなり、ファイル名でソートすれば最新の議事録をひと目で見付けやすくなります。

会議の実施日は「西暦(または西暦の下2桁)+月+日」で表すとよいでしょう。

例えば、2023年5月9日に開かれた会議の議事録であれば、以下のようなファイル名にします。

▼例1(西暦を4桁で表すパターン)

20230509_エアリス開発会議

▼例2(西暦を下2桁で表すパターン)

230509_エアリス開発会議

同じ日に同テーマで複数の会議を行った場合は、末尾に数字を付けて、何回目の会議の議事録なのかがわかるようにしましょう。

▼例3

230508_エアリス開発会議_001

ただし、会社や共有先でファイルの命名ルールが決まっている場合は、その命名ルールに従ったほうがよいでしょう。

個人の判断で命名ルールを変えてしまうと、ファイル名に統一感がなくなったり、ファイルを見付けにくくなったりして、他の人にとって不便になる可能性があるからです

特に確認してほしい事柄は、共有時のメッセージで伝える

急ぎで対応してほしいタスクや、認識のすり合わせをしておきたい箇所など、議事録の中で特に確認してほしい事柄がある場合には、議事録を共有する際に伝えておきましょう。

相手が忙しい場合、議事録の中身をすべて確認しきれないことが多いので、最低限、確認してもらいたい箇所を伝えておくと安心です。

共有後に修正した場合は、早めに関係者に再共有する

議事録の共有後、数値の間違いや認識のズレなどが発覚した際は、できるだけ早く修正し、再度共有します。

修正や再度の共有に時間がかかりそうな場合は、修正がある旨だけでも早めに伝えておくとよいでしょう。

社内会議の備忘録程度であれば、修正した最新版を再度共有すれば問題ありません。

社外の人にも共有している議事録の場合は、何を修正したのかをわかりやすく示して再度共有しましょう。

共有先が社内であっても社外であっても、議事録はできるだけ修正せずに済むほうがよいのは言うまでもないことです。

特に、社外に共有する議事録に修正が入ると、信頼を失うことにつながりかねません。

共有後に修正する可能性を最小限にするためにも、先ほど紹介したように、共有前にフィードバックを受けることは重要です。

PDFファイル形式での共有を検討する

議事録を共有する際には、ファイル形式にも気を配りましょう。

そこでオススメしたいのが、PDF形式での共有です。

PDF形式の文書は、改ざんされにくく、フォントやレイアウトがデバイスやOSなどの環境に影響されないため、特に社外の人に共有する際にオススメです。

Adobe Acrobat オンラインツール」を使えば、Wordで作った議事録をオンライン上でカンタンにPDF変換できます。

PDF変換後は、編集ツールで注釈コメントを入れることも可能です。

そのほか、メール添付やファイル共有のためのファイルサイズの圧縮・軽量化など、20を超える便利な機能が使えます。

Wordファイルを簡単にPDFファイルに変換できるAdobe Acrobat オンラインツール

Adobe Acrobatの有料プランを契約している方なら、利用は無制限。

有料プランを契約していない方でも、30日ごとに2回まで無料でAcrobat オンラインツールをお使いいただけます。

ぜひ一度、以下のリンクより、WordファイルのPDF変換機能をお試しください。

Word形式のファイルをPDFに変換

WordをPDFに変換する以外にも、Acrobat オンラインツールには、ビジネスシーンで役立つ便利な機能が多数用意されています。

詳しい使い方については、以下の記事を参照してください。

はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)

ここまで、議事録の取り方と共有する際のコツを紹介してきました。

この記事で紹介したコツを意識していただくことで、きっと議事録をうまく取れるようになるはずです。

続いて、会議中にメモを取る方法を6つご紹介します。

会議中にメモを取る方法6パターン

会議中にメモを取る方法は、PCや手書きで取る以外にも、文字起こしツールを使うなどいくつかの方法があります。

自分に合った方法を選んで、効率よくメモを取りましょう。

1. PCでテキストを打ち込む

2. ノートとペンで手書きする

3. 録画データをメモ代わりにする

4. 録音データをメモ代わりにする

5. ホワイトボードの写真を撮る

6. AI議事録作成ツールを使う

1.PCでテキストを打ち込む

会議中に、PCでメモを取る方法です。

PC上でメモを保存できるので、すぐにデータで共有でき、また、タイピングに慣れている人であれば手書きよりも速く記録できるというメリットがあります。

ここでは、PCでメモを取る際に使用することが多いツールを3つご紹介します。

■テキストエディタ

テキストエディタは、テキスト入力に特化したツールです。

シンプルな操作でメモを取れて、動作が軽いのが特徴です。

ただし、マーカー(ハイライト)のような装飾はできないものが多いため、聞き逃した箇所や認識が曖昧な箇所など、会議後に再確認したい箇所を目立たせるのには向いていません。

■ドキュメントツール(Word、Googleドキュメントなど)

マーカー(ハイライト)をはじめ、見出し設定や太字などの装飾機能もあるため、見た目を整えやすいのが特徴です。

そのため、メモをもとにして、視覚的にわかりやすい議事録を作成できます。

また、オンラインで使えるツールであれば、会議中に共同編集できるため、抜け漏れを減らせたり、会議中に自分が発言する際には別の人に議事録を取ってもらえたりといったメリットがあります。

■アウトラインツール(アウトライナー、アウトラインプロセッサー)

アウトライン、つまり文章の概要を作成するのに特化したツールで、情報を箇条書きで記録するのに適しています。

アウトラインツール(アウトライナー、アウトラインプロセッサー)で作成した会議中のメモの例

情報の階層化がしやすい、順序の入れ替えが容易である、といった特徴があります。またツールによっては、階層化した情報のうち、必要な部分だけを表示し、他の部分は折りたたむといった使い方ができるものもあります。

ただし、アウトラインツールに取ったメモはそのままの形式で共有するのが難しいため、議事録として他の人に共有する際には、PDFやテキストファイルなどの一般的なフォーマットへのエクスポートが必要です。

2.ノートとペンで手書きする

顧客へのヒアリングやセミナーに参加している際など、PCでメモを取るとタイピングの音が気になるような場面では、手書きでメモを取るとよいでしょう。

ノートは基本的に何を使ってもよいですが、議事録用に特化したノートも販売されています。

また、ペンはなるべく書き心地のよいものを使うと、スピーディかつ気持ちよくメモを取れます。

手書きでメモを取るメリットは、自由な形式で情報を記録できるため、図や矢印などを使用して情報の構造や関係性を視覚化しやすい点です。

一方、ノートの紛失や汚損といったリスクがあったり、物理的な保管スペースが必要になったりといったデメリットもあります。

また、関係者に議事録を共有するためにPCで入力しなおす必要がある場合は、二度手間になってしまいます。

PC内で保存しておく場合に比べて、検索性が悪いというデメリットもあります。

3.録画データをメモ代わりにする

オンライン会議の場合、画面を録画しておき、録画データをメモ代わりにするのも手段のひとつです。

参加者全員でディスカッションする会議や、顧客と1対1でやりとりする際など、メモを取る余裕がない場合には、特に向いています。

また、会議の詳細をすべて記録しておけるため、取締役会のように詳細な議事録が必要な場合のメモとしても有用です。

注意点としては、長時間の録画データは容量が大きくなるため、データの保管場所を確保する必要がある点です。

また、当然ながら、録画する際には、事前に出席者から許可を取っておく必要があります。

録画データは、文字起こしツールを使って自動でテキスト化することもできます。

ただし、文字起こしツールの精度は完璧ではないため、文字起こしされたテキストが間違っている可能性もあります。

また、文字起こしだけでは議事録として使いづらいので、内容を要約したり情報の順番を入れ替えたりといった編集は必要です。

さらに、文字起こしツールを利用すると、録画データを外部サーバーに送信することになるため、データがAIの機械学習に使われないかなど、文字起こしツールの規約の確認も必要です。

4.録音データをメモ代わりにする

ボイスレコーダーやスマホの録音機能を使って会議の内容を録音しておき、録音データをメモ代わりにすることもできます。

オンラインでもオフラインでも手軽に実践できる方法です。

動画データに比べてファイル容量を押さえられるため、データの保管場所にそれほど困りません。

また、先ほど紹介した録画の場合と同様、文字起こしツールを使って自動でテキスト化することもできます。

ただし文字起こしツールを使う際には、録画の場合と同様、ツールの精度が不完全だったり、文字起こしだけでは議事録として使いづらかったりといった注意点もあります。

また、事前に出席者から許可をとっておく必要がある点も、録画の場合と同じです。

5.ホワイトボードの写真を撮る

会議でホワイトボードが使われた場合は、写真に撮って議事録用のメモにできます。

ホワイトボードに図やロジックツリーが描かれた場合には、写真そのものを議事録の参考資料として添付するのもよいでしょう。

Adobe Scan」というスキャンアプリを使えば、撮影したホワイトボードの画像をPDFに変換できます。

ホワイトボードは、会議中のアイデアや概念を視覚的に表現したり、複数の意見を図や矢印でつなげたりまとめたりするのに便利なため、ディスカッションやブレスト(ブレインストーミング)との相性がよい点が特徴です。

ただし、文字が読みにくかったり、ホワイトボードに書かれた情報だけでは会議の内容を把握するのが難しかったりするケースもあるので、注意してください。

なお「ホワイトボード」というと、会議室に設置されている横長のボードが真っ先に頭に浮かびますが、オンラインで使用できるホワイトボードツールもあります。

「ホワイトボード オンライン」といったキーワードで検索すると、多数のオンラインホワイトボードツールが見つかります。

6.AI議事録作成ツールを使う

AIを使った議事録作成ツールも存在します。

録音から文字起こしまでのプロセスを自動化できるだけでなく、要点を抽出したり発言者を区別したりといった機能をもつものもあります。

最大のメリットは、議事録作成にかかる手間が減り、業務を効率化できる点です。

ただし、音声認識した内容が外部サーバーに保存されるツールの場合、セキュリティ上の問題が生じる可能性があります。

また、人間のように議論の流れを理解したり、言葉の微妙なニュアンスや感情といった要素を捉えたりするのは、現時点では難しいです。

そのため、あくまでも議事録用のメモを取るためのツールとして使うのがよいでしょう。

ここで紹介した内容を参考に、ぜひ自分にあったメモ取りの方法を見付けてください。

最後に、議事録作成によって得られる様々なメリットを紹介します。

メリットを知ることで、より意欲的に議事録作成に取り組めるようになるはずです。

ぜひチェックしてみてください。

議事録作成のメリット

議事録作成には、様々なメリットがあります。

ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

1.会議を客観視できる

議事録の内容を後日振り返ることで、会議中には見落としていたポイントに気づける場合があります。

会議に参加していなかった人に議事録を共有すれば、参加者だけでは気づけなかった視点をもらえることもあるでしょう。

また、議事録作成は「情報を構造化してまとめる」行為なので、会議全体を俯瞰するきっかけになります。

全体を俯瞰して見ることで、会議の内容に関する知識が定着しやすくなるため、次回以降の会議で発言できる機会も増えていくはずです。

2.次回の会議のアジェンダ作成に役立つ

議事録を共有すると、議論がどこまで進んだのかについて、共通認識をもちやすくなります。

よって、次回の会議で議論すべき事柄を決めやすくなり、アジェンダ作成が容易になります。

的確なアジェンダがあると、会議は格段に進めやすくなります。

3.情報を短時間でまとめるスキルが身に付く

見落としがちですが、議事録作成は、文書作成の基礎を身に付けるのにも役立ちます。

この記事で何度かお伝えしたとおり、議事録は、共有された人が「できるだけ短時間で」「正確に」会議の内容を理解できるように作成する必要があります。

そのため、議事録作成に取り組むことで、話の構造や要点を見極めて要約し、わかりやすい文章で伝える力が鍛えられるのです。

要点を押さえたわかりやすい文章を書けるようになると、議事録作成だけでなく、メールでのコミュニケーションや資料作成など、テキストを使った仕事全般が進めやすくなります。

まとめ

この記事では、議事録作成を「会議前の準備」「会議中のメモ取り」「会議後の文章調整」の3段階に分け、それぞれのプロセスで使えるコツを紹介しました。

そして、議事録を作成することで得られるメリットについても解説しました。

記事内で紹介した内容を参考にして、ぜひ積極的に議事録作成に取り組んでください。

また、完成した議事録の共有には、PDFの圧縮コメント追加が無料で行えるAcrobat オンラインツールが便利です。

以下のように、議事録作成だけでなくビジネスを進めるうえで便利な機能を多数利用できますので、ぜひ試してみてください。

Adobe Acrobat オンラインツール 総合TOP

Acrobat オンラインツールの各機能を確認できるTOPページです。

PowerPoint形式のファイルをPDFに変換

PowerPoint形式のファイルをPDFファイルに変換できます。

複数のPDFを結合する

複数のPDFを結合し、ひとつのPDFファイルにまとめられます。

PDF内の不要なページを削除

PDFの中から、不要なページを削除できます。

PDFのページを入れ替え、並び替え

PDFのページ順序を入れ替え、構成を変更できます。

PDFにページを挿入・追加

PDFに、新しくページを追加できます。

Acrobat オンラインツールの詳しい使い方については、以下の記事で解説されています。

はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)

Adobe Acrobat オンラインツール」を利用して、日々の仕事を柔軟に進めましょう。

(執筆:ウェブライダー)

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ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください

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