テーマに沿ってアレンジした写真ポートフォリオのためのクイックスタートガイド
- オンラインでどのように写真をアレンジしたいか決めましょう
- 写真のサイズがwebサイトに適切かどうか確かめましょう
- 最高の作品だけをディスプレイしましょう
なぜ写真家にはポートフォリオが必要なのか
ポートフォリオは自分のスキルを示す表現の手段というだけでなく、作品をアピールしクライアントを得るのに不可欠となるマーケティングの手法でもあります。写真という視覚にうったえる世界において、クチコミや人による推薦だけでは足りません。既存のクライアントからの推薦は非常に重要ですが、人々は写真家の作品を見たがるものです。ポートフォリオは自分の作品を売り込むことに役立ちます。
将来クライアントになりそうな人が写真撮影のサービスを探している時、ポートフォリオが乱雑だと見てはくれません。また、ニーズに応えていないものも注目してもらえません。良質のポートフォリオは、プロのフォトグラファーとしての性質と、そのフォトグラファーが得意とする作品をしっかり捉えています。そして最高のポートフォリオの場合、それを一目で表現しています。
ポートフォリオはまた、過去(または未来)のクライアントが自分を推薦してさらなるビジネスにつなげる、強力なマーケティング戦略としても使えます。今あるポートフォリオを改善する場合も、ポートフォリオを一から作成する場合も、ポートフォリオの作成プロセスと、いかにポートフォリオを使ってさらに多くのクライアントを獲得し、自分のスキルを広げられるかを学んでいきましょう。
1. 素晴らしいポートフォリオで写真のクライアントを獲得
ポートフォリオは写真家が新しいクライアントを獲得するための、重要なマーケティングツールです。ポートフォリオを見る人にとっては、写真家の性質や、作品が何を表現しているかを、感覚的に察知することが重要になります。
自分にとって理想的なクライアントを想像してみましょう。自分のデジタルポートフォリオを初めて見る人は、どのような反応を示すでしょうか。それは実際のギャラリーに入るのとそれほど変わりません。ビジターはどこに行って、何を見るのか知る必要があります。
ポートフォリオ全体を通じて、明確に、そして視覚的にナビゲートできるようにしましょう。そうすればユーザーは、効果的に写真をブラウズすることができます。作品を分類するための例をご紹介します。
題材
人の顔写真、風景写真、都市風景の写真、月のある風景の写真
カラー
クールな色合い、自然色、明るく鮮やかな色など、カラーパレットで分類した写真
テーマに沿ったコンテンツ
一貫したスキルとスタイル(例えば、動きのある人物など)を表している作品例
2. 他の写真webサイトから学ぶ
ひときわ目立つポートフォリオを作りたい場合、他から少し刺激をもらうのも良い考えです。
他の写真家、グラフィックデザイナー、ビジュアルアーティストからは、ポートフォリオ作りに関する多くのアイディアをもらうことができます。他の写真家のポートフォリオを参考に、自分のポートフォリオを作り始めることも良いでしょう。ただし、ポートフォリオを自分独自のものにすることを忘れないようにしましょう。他の写真のポートフォリオに既に使われたテンプレートをそのまま使っても、見る人を感動させることはできません。
Behanceから参考になるテンプレートがたくさん見つかります。自分のポートフォリオをどのような外観にしたいか、いろいろなアイデアが湧いてきます。インスピレーションとガイダンスを求めて、いろいろな例をブラウズして検索してください。
3. Webサイトをスピードアップして最適化する
見た目に加えて、webサイトの技術面にも気を配りましょう。写真がwebサイトにロードされるのに時間がかかると、ポートフォリオを見ようとする人はサイトから離れてしまいます。
サイズが大きすぎたり適切な形式でなかったりする場合、webサイトが写真をロードするスピードが落ち、ポートフォリオの画像が崩れてしまうことがあります。写真家の作品に興味を持ち、そのwebサイトを閲覧する人々は、写真のアップロードが遅かったり、写真の質が悪かったりすると、プロのサイトとして見てくれません。
Adobe AcrobatとAdobe Photoshopの圧縮ツールを使うと、小さなファイルに圧縮した画像を、画質のロスを最小限に食い止めながら、書き出したり更新したりできます。これはほんの数ステップでおこなえます。例えばPDFのポートフォリオをお持ちの場合、Acrobat Proには「Web表示用に最適化」という機能があり、PDFを最適化して1ページずつアップロードします。Webサイトを閲覧する人は、写真がアップロードされるのを長時間待つことなく、スムーズな体験を楽しめます。
さらに、基本的な検索エンジン最適化(SEO)を必ず適用して、人々が検索エンジンを通して自分のwebサイトを見つけやすいようにしてください。これはwebサイトの閲覧者を増やす、最高の方法です。閲覧者が増えればクライアントも増えます。
4. ルックブックを作る
ルックブックとは、webサイトを閲覧する人々にとって、副ポートフォリオのようなものです。将来クライアントになりそうな人々に、特定のタイプの写真をディスプレイするためのものです。
例えば、様々な種類の題材があり、ウェディング写真もポートレート写真も手がけているなら、それぞれ違うスタイルで撮影したルックブックがあると、大変便利です。なるべくアクセスしやすい場所に保管し、ファイルは小さ目にしましょう。
PDFに圧縮したルックブックを、将来のクライアントと簡単にシェアできるようにすれば、これもポートフォリオを見てもらえる良い方法となります。さらに、ルックブックをクライアント、テーマ、その他のプレゼンテーションのスタイルに合わせて、特別に作成することもできます。重要な機会のためのルックブック制作においてAdobe Acrobat Proは、パワフルな助けとなります。
5. 明確で説得力のある説明を付ける
写真撮影のビジネスを経営している場合、自分が何を提供できるかを、簡単に理解できる明確な方法で伝える必要があります。
写真撮影ビジネスはポートフォリオのサイト(多くの写真家がそうしています。このサイトだけで、仕事依頼の手続きがすべてできます)のみで、経営することができますが、サイトを閲覧する人々は、写真家を雇う方法や料金を知る必要があります。質問のページや、どんな写真撮影を受け付けているか説明するページは、ポートフォリオの中で大変便利なセクションとなります。
Facebookの広告やその他の広告サービスを使用している場合、自分のやらないことを宣伝するような文章と画像は使わないようにしましょう。新しいビジネスを開拓するのは難しいことでもあります。写真撮影市場に幅広く網を広げたいと思うかもしれませんが、小規模のビジネス経営者にとって、それは不必要な忙しさを招くことにもなります。自分のポートフォリオやソーシャルメディアのアカウントは、目標とするクライアントに確実に合わせてください。
家族写真、ウェディング写真、スポーツ写真など、それぞれのサービスの料金を表記しましょう。事務的な作業面が整理されていれば、本来の写真撮影に専念できます。
ソーシャルメディアを使って、写真の新しいクライアントを獲得
オンライン写真ポートフォリオのプラットフォームとして、ソーシャルメディアを使うことができます。例えばInstagramは、クライアントと画像をシェアする良い方法の一つです。Webサイトの場合、既に連絡をとったことのある人々と作品をシェアできますが、それ以外の人々を惹きつけることは簡単ではありません。しかし、ソーシャルメディアならシェア機能が既に備わっています。それはネットワーキングのために設計されています。こうした理由により、ソーシャルメディアのポートフォリオは、単に作品をディスプレイするだけでなく、クライアントとして惹きつけ、その後も維持したい人々に焦点を合わせる必要があります。
ソーシャルメディア戦略においては、価値の高いコンテンツと、複数の接触ポイントを設けることで、現在と将来のクライアントをつかまなければなりません。難しいことのように聞こえるかもしれませんが、実はいくつかのステップを踏むだけです。
1. 自分の得意とすることを明確に
1つだけである必要はありませんが、どんな写真撮影で報酬を得ることができるか、明確な考えを持ちましょう。写真撮影には、ウェディング、ポートレート、イベント、ファッション、商業写真、自然、ドローン撮影、報道写真、旅行写真、フードなど、様々な種類があります。1つの分野の中でも、例えば特殊なタイプのイベントやユニークなスタイルなど、ニッチサービスを提供する余地を見つけられるかもしれません。ソーシャルメディアでシェアすることができ、またユニークで目立つブランドを築くのに役立つコンテンツを見極めましょう。
2. 自分のクライアントを見つける
場合によっては、これが最初のステップになることもあります。1つの分野で数人のクライアントの仕事をしていくうちに、特定種類の写真撮影やスタイルで自分のスキルが発展してくるかもしれません。それを、将来のためにさらに追求するのも良いでしょう。いずれにしても、こうした仕事を料金を払って依頼する意思のある人々を理解する必要があります。そして、彼らがどのように、ソーシャルメディアを使うかを知っておきましょう。クライアントによって、好みのアプリやチャネルは異なります。自分にとって理想的なクライアントが、何を使っているか調べてください。
3. プランを立てる
マーケティング活動のゴールを決め、そのゴールに向かって進むためのアクティビティを中心にして、構築していきたいアカウントのメンテナンスにあてる時間を作りましょう。
4. 人との交流
ソーシャルメディアは社交活動のためのものです。意味のある社交活動は、これまで撮影した写真をすべて見せるよりももっと、将来への仕事へと導く効果があります。ソーシャルメディアを使って、ニッチサービスのクライアントに適切なコンテンツを投稿し、自分のユニークな人柄を表現し、質問に答え、コミュニティに参加しましょう。Facebookで、自分と同じような興味を持つ写真家グループに参加するといいでしょう。他のアカウントのユーザーが投稿したくなるようなコンテンツを作りましょう。他の人達を招待して、ゲスト投稿を作るのもいい考えです。自分が求める写真クライアント特有の流行と、人気のあるハッシュタグをリサーチしましょう。自分の投稿を人々が確実に見るように、投稿するタイミングを戦略的に見計らってください。
ポートフォリオをさらに素晴らしく
どんなポートフォリオであっても、Adobeにはそれを作成し、さらに素晴らしくするためのツールとチュートリアルが備わっています。Adobe Document CloudストレージとAdobe Acrobat Proなら、デジタル環境で写真を保存、整理、管理することができ、移動中も変更や更新ができます。
さらに、Acrobatを使って、簡単にアクセスしてシェアできるPDFポートフォリオを作成しましょう。すばらしく最適化された作品コレクションは、今すぐオーディエンスに見せることができます。
作品をシェアする
ポートフォリオが完成したら、次はそれを活用します。現在のEメールリストを使い、クライアントに最近の活動をシェアしましょう。高画質画像でPDFバージョンのポートフォリオを圧縮すれば、簡単にシェアできます。ターゲットオーディエンスを惹きつけられるよう、新しいポートフォリオにタグを付けて、ソーシャルメディアのプラットフォームにリンクを投稿しましょう。限られた人々だけとシェアしたい場合、Acrobat Proを使えば文書にパスワード保護を適用することができ、適切な人々のみ作品を見ることができます。
新しいポートフォリオをポケットに入れたら、さっそく新しいビジネスのコンタクト作りにそれを使いましょう。