成果につながるホワイトペーパーとは?種類や作り方のコツを解説
ホワイトペーパーをPDF変換するには、Acrobat オンラインツールが便利です。以下のページをぜひチェックしておいてください。
「ホワイトペーパー」とは、潜在顧客や見込み客に対して企業が提供するお役立ち資料のことです。
購入の検討に必要な情報や、商品やサービスに関する理解を深めるための知識を提供し、相手の購買意欲を徐々に高めることを目的としています。
ただし、購買意欲を高めるためには、自社にとって都合のよい情報ではなく、相手が本当に求めている情報を提供することが重要です。
そこで本記事では、潜在顧客や見込み客にとって有益なホワイトペーパーを作るための手順とポイントを解説します。
1.ホワイトペーパーとは
マーケティングにおける「ホワイトペーパー」とは、自社のサービスのことをよく知らない潜在顧客やサービスの導入を検討している見込み客に向けて、企業が提供するお役立ち資料を指します。
ホワイトペーパーの主な目的は、自社サービスへの理解を深めてもらい、最終的に商談の申し込みや自社サービスの契約につなげることです。
将来の顧客になるであろうユーザーに、PDF資料やeBookを通じて有益な情報を提供し、自社への関心を高めてもらいながら、購買意欲を醸成していきます。
例えば、アドビのマーケティングツール「Adobe Marketo Engage(マルケト)」では、「小売業界での消費者動向に関する独自の調査結果」や「自社に合ったCMSの選び方」といったお役立ち情報を整理した、以下のようなホワイトペーパーを提供しています。
ダウンロードしたいホワイトペーパーを選ぶと、以下のような申し込みフォームが表示されます。
個人情報を入力すれば、ダウンロードできる仕組みです。
ホワイトペーパーがBtoBマーケティングでよく用いられる理由
ホワイトペーパーは、特にBtoBマーケティングで活用されることが多い資料です。
BtoB向けの商材は導入時に検討すべき項目が多く、ユーザーは商材について問い合わせる前に、時間をかけて事前調査をします。
その事前調査に役立つ情報を、ユーザーの検討段階に合わせてホワイトペーパーで提供することで、スムーズに検討を進めてもらえます。
その結果、商談や契約につながりやすくなるのです。
2.ホワイトペーパーの2つの役割
ホワイトペーパーには大きく分けて「接点の創出」と「関係性の醸成」という2つの役割があります。
これらの役割を別の言葉で表せば、以下のようになります。
1.見込み客を創出する(リードジェネレーション)
2.見込み客の購買意欲を高める(リードナーチャリング)
2-1.見込み客を創出する(リードジェネレーション)
見込み客(リード)とは、将来的に自社の商品やサービスを購入する見込みがあるユーザーを指します。
そして、見込み客(リード)を創出するための一連の活動を「リードジェネレーション」と呼びます。
例えば、Webサイトの中にホワイトペーパーのダウンロードが可能なフォームを設けておきます。
名前や所属企業、メールアドレスといった情報をフォームに入力してもらえれば、今後も継続してそのユーザーにアプローチできるようになります。
つまり、ホワイトペーパーの提供と引き換えに、見込み客が創出できるということです。
以下は「Adobe Marketo Engage」のサイトが用意している、ホワイトペーパーのダウンロードフォームです。
ホワイトペーパーの提供を通じて、見込み客を創出しています。
ホワイトペーパーを通して見込み客を創出するには、まずはホワイトペーパーに興味・関心を示してもらう必要があります。
そのためには、ユーザーがダウンロードしたくなるような、魅力的なホワイトペーパーを作ることが大切です。
2-2.見込み客の購買意欲を高める(リードナーチャリング)
見込み客を創出したあとは、その見込み客との関係性を構築していきます。
その関係性構築のためにも、ホワイトペーパーは引き続き役に立ちます。
見込み客が必要とするであろう情報を、ホワイトペーパーを通してどんどん提供していきましょう。
そうすれば、見込み客はあなたの会社にポジティブな印象をもち、あなたの会社の商品やサービスにも興味をもってくれる場合があります。
その結果、見込み客の購買意欲は高まり、売上につながるでしょう。
この一連のプロセスを「リードナーチャリング」と呼びます。
見込み客との関係性を構築し、購買意欲を高めるためには、それぞれの見込み客の検討度合いに合わせて最適なホワイトペーパーを提供することが重要です。
例えば、サービスの導入に前向きな見込み客には、導入検討時に役立つ「競合比較表」を提供するとよいでしょう。
一方、サービスの導入にまだ前向きではないが、課題解決には興味がある見込み客には、課題解決のための「チェックリスト」や「ノウハウ集」といったホワイトペーパーを提供します。
上記のように、ホワイトペーパーの2つの役割は「見込み客を創出する」「見込み客の購買意欲を高める」ことです。
これらの目的達成においては、ホワイトペーパー以外にも、ブログやSNSの運用といった手段が考えられますが、ホワイトペーパーの活用には独自のメリットがあります。
そこで続けて、ホワイトペーパーの活用が他の施策と比べてどのような点で優れているのか、ホワイトペーパーの3つのメリットを解説していきます。
3.ホワイトペーパーを提供する3つのメリット
ホワイトペーパーは他の施策と異なり、「ボリュームのある情報を一度に提供できる」「資料として相手の手元に残せる」という特長があります。
その点を踏まえて整理すると、ホワイトペーパーを提供するメリットは以下の3つです。
1.見込み客との関係性を構築できる
2.既存顧客の満足度が向上する
3.営業活動や社内教育などでも活用できる
【メリット1】見込み客との関係性を構築できる
自社商品やサービスの利用者を増やすには、多くのユーザーに商品やサービスの魅力を伝える必要があります。
しかし、自社商品にまだ興味がない人に商品を強く訴求してしまうと、セールス色が強いと感じられる恐れがあります。
そのため、まずはユーザーとの関係性構築のために、セールス色の薄い「お役立ちコンテンツ」を軸にコミュニケーションする必要があります。
そこで活用できるのがホワイトペーパーです。
内容が充実したホワイトペーパーを提供し続けることで、見込み客に「この企業は自分のためにこんなに有益な情報を提供してくれている」と思ってもらえるようになり、やがて自社の商品やサービスにも興味をもってもらえるようになります。
【メリット2】既存顧客の満足度が向上する
ホワイトペーパーは、見込み客だけでなく、既に商品を購入・利用している既存顧客との良好な関係を築くのにも役立ちます。
例えば、既存顧客が商品を使うなかで感じた悩みや不安について、ホワイトペーパーの中で解決方法を伝えます。
また、商品の便利な使い方や活用事例を伝えることで、商品をより長く使い続けてもらえるほか、顧客の商品へのエンゲージメント(愛着)も高まります。
【メリット3】営業活動や社内教育などにも活用できる
ホワイトペーパーは、見込み客の創出や既存顧客との関係性を構築するだけでなく、以下のような場面でも活用できます。
インサイドセールス(営業)での活用
商談前のインサイドセールスの段階でテレアポをしても、相手(見込み客)の購買意欲が低い状態だと、提案に耳を傾けてもらえないことがあります。
そのような場合、一方的に自社商品の話をするのではなく、相手の関心が高そうなホワイトペーパーを先に提供しておくことで、相手のペースに合わせて話を進められます。
有料の外部媒体に掲載する
ホワイトペーパーはコンテンツが圧縮された資料です。
ホワイトペーパーへのリンクを外部サービスや業界メディアなどに掲載してもらうことで、外部での見込み客の創出が可能となります。
社内教育用の資料として使う
入門ガイドや業界の調査資料などは、商品の基本的な理解を深めるために役立ちます。
そのため、新入社員向けの教育コンテンツにも活用できます。
ホワイトペーパーを提供するメリットを3つご紹介しました。
続いては、ホワイトペーパーの種類について解説します。
4.ホワイトペーパーの6つの種類
ホワイトペーパーの種類を把握しておくことで、対象ユーザーに合わせた内容を企画しやすくなります。
ここでは、代表的なホワイトペーパーの種類として、以下の6つをご紹介します。
1.基礎・入門ガイド
2.業界レポート
3.チェックリスト
4.テンプレート・フォーマット
5.サービス・製品の比較表
6.事例紹介
ひとつずつ解説します。
【種類1】基礎・入門ガイド
「基礎・入門ガイド」は、特に初心者を対象として、業界の基礎知識やツール・サービスの導入方法などをまとめたホワイトペーパーです。
教科書のように手元に置いて何度も参照してもらうことで、エンゲージメント(愛着)が高まる効果があります。
基礎知識を解説した資料は、業界への興味関心度が低いユーザーから高いユーザーまで手に取りやすいため、幅広い層にアプローチできるというメリットがあります。
●資料の例
・初心者でもわかるオウンドメディアの運用ガイド
・【3分でわかる】勤怠管理システムのメリットとデメリット
・MAツール導入の入門ガイド
●制作難度
★★(中)
初心者にとって必要なノウハウを網羅的に扱う必要があり、初心者目線での情報の整理や、潜在顧客の調査やヒアリングなどが必要
【種類2】業界レポート
「業界レポート」とは、業界の最新トレンドや市場動向などの調査結果をまとめたレポートです。
最新情報を押さえておく必要があるマーケティング担当者や新規事業の担当者に重宝されやすいです。
事実情報の提供となるため、情報の鮮度や調査結果の信頼性を重視しましょう。
●資料の例
・【2023年版】マーケティング担当者の意識調査
・AIを取り巻くデザインソフトの今後の展望
・【最新版】中小企業における勤怠管理システムの利用実態
●制作難度
★★★(高)
様々な場面で参照されやすい分、内容に誤りがあると誤情報が拡散されてしまうリスクも高いため、取り扱う内容の真偽を十分にチェックし、必要に応じて専門家の監修を入れる
【種類3】チェックリスト
「チェックリスト」はその名のとおり、サービス導入時の注意点や導入後のポイントなどをチェックリスト形式でまとめた資料です。
サービス導入に関するチェックリストだけでなく、ビジネスシーンで使える一般的なノウハウをチェックリスト形式で提供するのも喜ばれます。
●資料の例
・MAツール導入前に確認したい20項目を解説
・提案書制作に役立つ30のチェックポイント
・これからの管理職に求められる能力・知識のチェックリスト
●制作難度
★(低~中)
多くの企業では業務効率改善のために自社専用のチェックリストが作られているため、そのチェックリストを社外向けに整形すれば、ホワイトペーパーとして活用できる
【種類4】テンプレート・フォーマット
業務を効率化するための「テンプレート」や「フォーマット」を配布します。
実用的な内容のため、「役に立ちそうだからダウンロードしてみよう」という理由でダウンロードしてもらいやすいです。
また、サービスの機能の一部をテンプレートとして配布する方法もオススメです。
例えば、自社が顧客管理システム(CRM)を提供している場合、まだシステムを導入したことがないユーザーに対して、まずは表計算ツールで顧客情報を管理できるテンプレートを提供します。
「顧客管理に取り組みたい」というユーザーにまずは表計算ツールを用いた業務改善から始めてもらい、実際に取り組むなかで「表計算ツールでは管理しきれなくなったから、そろそろ専用のシステムへの移行を検討しよう」という形で、サービス導入への意欲を高めてもらう流れも考えられます。
●資料の例
・説得力のある企画書が作れる「企画書テンプレート」
・営業スケジュール管理テンプレート
・すぐに使える支出管理表
●制作難度
★(低~中)
社内で既に使っているテンプレートがある場合、社外向けに整形してホワイトペーパーとして活用できる
【種類5】サービス・製品の比較表
「サービス・製品の比較表」は、自社と競合他社のサービスや製品の違いをまとめた比較表です。
競合他社だけでなく、自社がリリースした過去のサービスとの違いをまとめることもあります。
複数のサービスを比較検討しているユーザーの時間的コストを短縮できるため、サービスの導入は決めているがどのサービスにするか迷っている、というユーザーに喜んでもらえます。
購入意思決定の後押しになりやすい資料のため、優先的に制作を検討するとよいでしょう。
●資料の例
・MAツール比較2023:スタートアップが選ぶべき最適なMAツールとは?
・CRMツール比較表:自社に合ったツールを選ぶ方法とポイント
・クラウド型勤怠管理システム vs オンプレミス型勤怠管理システム
●制作難度
★★(中)
自社と競合他社の比較をする場合、フェアな比較と誠実な姿勢を大切にし、可能であれば自社の強みだけでなく、競合と比較した際の弱みについても書けるとよい
【種類6】事例紹介
自社サービスの「導入事例」や「活用事例」を紹介する資料です。
導入後のイメージがわきやすくなり、サービス導入後の未来を疑似体験できます。
サービスに関する興味関心を向上させ、導入意欲を高める効果があります。
●資料の例
・【生産性アップ】株式会社Aさまの勤怠管理システム導入事例
・リード数が昨対比200%増加!MA導入時のポイントと運用方法を紹介
・【成功事例】顧客管理を一元管理し、顧客からのエンゲージメント向上に成功
●制作難度
★★(中)
自社のオウンドメディアで既に事例記事を公開している場合、それらを流用できる
ここまで、6種類のホワイトペーパーを紹介しました。
自社がアプローチしたい対象者のことを想像し、どの形式のホワイトペーパーが役に立ちそうかを考えてみましょう。
5.成果につながるホワイトペーパーを作るための3つのポイント
ここからは、実際に成果につながるホワイトペーパーを作るポイントとして、以下の3つを取り上げます。
1.見込み客にとって本当に有益な資料を作る
2.自社独自の見解やデータを載せる
3.見込み客が好む形式に合わせて資料を用意する
ひとつずつ見ていきましょう。
【ポイント1】見込み客にとって本当に有益な資料を作る
ホワイトペーパーをダウンロードしてもらうには、顧客にとって本当に価値のある情報を提供することが重要です。
ホワイトペーパーをダウンロードするために、見込み客は「情報を入力する」というコストをかけます。
それは、「有益なホワイトペーパーを得られるだろう」と期待を抱いているからです。
その期待に応えられるホワイトペーパーを提供できれば、見込み客は「こんなに充実した資料を無料で提供してくれるなんて、きっと信頼できる会社に違いない」とあなたの会社に対してよい印象をもつでしょう。
一方、期待値を下回るような内容だと、見込み客は「役に立つと思ったのに期待外れだった」と感じ、あなたの会社へ悪い印象を抱きかねません。
よって、「見込み客の情報さえ取得できればよい」という姿勢にならぬよう、内容の薄いホワイトペーパーを訴求したり、内容と釣り合わない大げさなタイトルを付けたりするのは避けましょう。
ホワイトペーパーの質によって、見込み客があなたの会社に抱く第一印象は決まると考えておいてください。
【ポイント2】自社独自の見解やデータを載せる
今や多くの企業がホワイトペーパーを提供しています。
そのため、どの企業でも提供しているような内容のホワイトペーパーは、ダウンロードしてもらいにくい傾向にあります。
もしダウンロードされたとしても、他社のホワイトペーパーと同じような内容であれば、自社の印象が残らず、すぐに忘れられてしまうでしょう。
そのため、他社では提供できない、自社独自の見解やデータを載せられないか、切り口を工夫してみましょう。
自社のホワイトペーパーを通してでしか得られない唯一無二の情報とは何かを考えることが大事です。
【ポイント3】見込み客が好む形式に合わせて資料を用意する
人によって、情報収集の手段やタイミングは異なります。
例えば、よく本を読んでいる人であれば文章に抵抗はありませんが、動画を見慣れている人の場合は、文章よりも動画形式のコンテンツを好む可能性があります。
さらには、マンガなら読みたいという人もいる場合があります。
ホワイトペーパーを「見込み客が受け取りやすい方法で提供する」ことまで考えて、どのような表現演出をするかを検討しましょう。
詳しくは記事後半の「【How】資料の届け方を考える」で解説します。
それでは、上記の3つのポイントを踏まえて、実際にホワイトペーパーを作る具体的な手順を見ていきましょう。
6.ホワイトペーパーの作成手順
見込み客にとってどれだけ有益な資料を提供していても、自社の利益につながらなければ、ホワイトペーパーを作り続ける意味がなくなってしまいます。
自社サービスを契約してもらうという目的を達成するには、「どの対象者にどうアプローチすれば購買意欲が高まりそうか」を考えることが重要です。
そこで、ホワイトペーパーを作る際は、以下の「3W1H」の順で企画するようにしましょう。
1.【Why】目的を明確にする
2.【Whom】対象読者(ターゲット)を具体的にする
3.【What】ホワイトペーパーの内容や形式を決める
4.【How】ホワイトペーパーの届け方を考える
ここからは「勤怠管理システムを提供する企業が、自社の見込み客を増やすためにホワイトペーパーを作る場合」を例にして解説していきます。
【Why】目的を明確にする
まずは、ホワイトペーパーを提供する目的を明確にします。
具体的には、「誰」に「どんな行動を取ってもらいたいか」を定めます。
●誰に(Whom)
勤怠管理システムの見直しを検討している企業の人事担当者
●どんな行動を取ってもらいたいか
自社の勤怠管理システムを導入してもらう
次に「誰に(Whom)」の解像度を高めるために、対象読者(ターゲット)についてより具体的に考えます。
【Whom】対象読者(ターゲット)を具体的にする
続いて、先ほどの【Why】で考えた「誰に(Whom)」のうち、まずはどのような検討段階の顧客を対象とするかを考えます。
顧客はサービスの導入を検討する段階において、3つの属性に分けられます。
すぐにでもサービスを導入したいと思っている「今すぐ層」、サービスに興味はあるものの導入を急いでいない「そのうち層」、そもそもサービスへの興味関心が薄い「まだまだ層」の3属性です。
もし「今すぐ層」が多いのであれば、「今すぐ層」向けのホワイトペーパーを重点的に作ります。
今すぐにでも導入を検討したいのですから、比較資料や事例資料を提供するとよいでしょう。
しかし、サービスがまだ十分に認知されておらず、「まだまだ層」や「そのうち層」が大多数なのであれば、サービスの興味・関心を喚起するホワイトペーパーの作成が必要です。
以下に、顧客の検討段階別の最適なアプローチをまとめました。
1.まだまだ層
サービスへの興味関心が薄い人たち
(例)他社が勤怠管理を効率化したことで、どのようなビジネスメリット(例:社員満足度が上がったなど)を得ているかを知ってもらい、勤怠管理を効率化したいニーズを高めてもらう。
2.そのうち層
サービスの導入に関心はあるが、今すぐ導入する必要性を感じていない人たち
(例)サービスの導入時期を早めることでどのようなビジネスメリット(例:今後発生するであろう管理コストを削減できたなど)が得られるのかを伝える。
もしくは、導入が遅れることで、どのようなデメリットがあるかを知ってもらう。
3.いますぐ層
サービスの導入を前向きに検討している人たち
(例)サービス導入にあたっての疑問点や不安点をすべて払拭する手伝いをする。
【What】ホワイトペーパーの内容や形式を決める
どの検討段階の顧客を対象とするかを決めたら、どんな内容や形式のホワイトペーパーにするかを考えます。
以下は、顧客の検討段階別にオススメの内容や形式をまとめた表です。
例えば、「まだまだ層」の人事担当者を対象とした場合を考えましょう。
「まだまだ層」の場合はサービスへの関心は低いので、サービスの訴求につながるホワイトペーパーよりも「今すぐ役立ちそう」「ダウンロードしておくとお得」と思ってもらえる情報をまとめたホワイトペーパーのほうが興味をもってもらえます。
したがって「人事労務管理に役立つチェックリスト」や「人事労務管理の業界レポート」といった資料を提供します。
【How】ホワイトペーパーの届け方を考える
ホワイトペーパーの内容や形式を考えたら、あとは、そのホワイトペーパーをより多くの対象顧客にダウンロードしてもらうための戦略を考えます。
つまり、ホワイトペーパーの訴求力や認知を高めるマーケティングが必要となります。
そのためには、以下の4つのポイントを意識してください。
1.ホワイトペーパーから得られるメリットをわかりやすく伝える
2.対象顧客の立場やホワイトペーパーの内容にあわせて著者情報を出し分ける
3.対象顧客の情報収集の方法とタイミングに合わせて届ける
4.対象顧客が受け取りやすい形式で情報を渡す
それぞれ詳しく解説していきます。
1.ホワイトペーパーから得られるメリットをわかりやすく伝える
いくらホワイトペーパーの中身がよくても、どんな情報を得られるのかがわからなければ、顧客はわざわざダウンロードしようと考えません。
そのため、ホワイトペーパーのタイトルに得られるメリットを含めたり、ホワイトペーパーのダウンロードページの見せ方を工夫したりします。
考えられるアプローチは以下の5つです。
1.ホワイトペーパーのタイトルに得られるメリットを含める
2.対象顧客に合った扉絵を付ける
(例:初心者向けの資料には、内容をカンタンに理解できそうな扉絵を付ける)
3.どんな人にオススメなのかを箇条書きで紹介する
4.ホワイトペーパーのダウンロードページにて、資料の概要を説明する
5.ホワイトペーパーのダウンロードページにて、資料の一部のページを掲載する
2.対象顧客の立場やホワイトペーパーの内容にあわせて書き手を決める
専門書やビジネス書を買うとき、著者の経歴や肩書きから「この本の内容は信頼できそうだな」と判断して購入した経験はないでしょうか。
ホワイトペーパーについても、著者の肩書きを示すことで、ホワイトペーパーに関心をもってもらえたり、内容を信頼してもらいやすくなる場合があります。
例えば、勤怠管理の業務に関するチェックリストの場合は、労務の知識をもった専門家が監修に入っていることを示すことで、内容への信頼感が高まるでしょう。
3.対象顧客の情報収集の方法とタイミングに合わせて届ける
対象顧客が情報収集するタイミングに合わせてホワイトペーパーを提供することで、よりダウンロードしてもらえる可能性が高まります。
特にメールニュースなどを通じてホワイトペーパーを提供する場合は、タイミングの見極めが重要です。
また、タイミングだけでなく、対象顧客がどの媒体で情報収集をしているかも把握しておきましょう。
以下に、押さえておくべき3つのポイントをまとめました。
● 1週間のなかでいつ情報収集することが多いか?
(例:平日に情報収集し、休日は仕事関連の情報を見ない)
● 1日のなかでどの時間帯に情報収集することが多いか?
(例:通勤時間、仕事の休憩時間中など)
● どの媒体で情報収集をするか
(例:検索エンジン、X、YouTubeなど)
4.対象顧客が受け取りやすい形式で情報を渡す
ホワイトペーパーの形式で多いのは、テキストと図解で情報をまとめたものです。
しかし、特にBtoB商材では専門的な内容が多く、テキストや図解だけでは説明が難しい場合があります。
そのような場合には、マンガを用いて情報を平易に伝える方法があります。
また、動画もホワイトペーパーの形式として有効です。
ツールの操作手順や導入の流れなど、テキストでは長くなってしまうコンテンツは動画で伝えることも検討してみましょう。
ここまで、ホワイトペーパーの作成において重要な「Why(目的)」「Whom(対象者)」「What(内容)」「How(届け方)」という「3W1H」を取り上げてきました。
この「3W1H」の概念を頭に置きながら、対象顧客にとって価値の高いホワイトペーパーを作りましょう。
7.ホワイトペーパー作成時のよくある課題と解決策
最後に、ホワイトペーパーを作るうえで、よくある課題とその解決策について触れておきます。
1.ゼロから資料を作るリソースがない
2.内製と外注のどちらにすべきか迷っている
【課題1】ゼロから資料を作るリソースがない
ホワイトペーパーは必ずしもゼロから作る必要はありません。
既に社内に存在しているコンテンツを二次利用して作る場合も多いです。
例えば、以下のようなコンテンツは流用しやすいでしょう。
・オウンドメディアに投稿したノウハウ記事
・顧客事例インタビュー
・セミナー登壇時に使った資料
・セミナーのレポート(録画含む)
・営業資料
・社内で使用しているチェックリストやテンプレートなど
既に社内に存在しているコンテンツは、元々は「誰かの課題」を解決するために作られているので、対象顧客にとっても価値が高い可能性があります。
そのため、二次利用できるコンテンツが社内にないか探してみましょう。
自分の部署になくても、他部署にコンテンツがある場合もあります。
【課題2】内製と外注のどちらにすべきか迷っている
ホワイトペーパーを内製または外注する場合、それぞれ、以下のようなメリットとデメリットがあります。
■ホワイトペーパーを内製する場合
●メリット
・社内のノウハウを棚卸しし、情報資産にして社内に蓄積できる
・ホワイトペーパーで扱う内容や質をコントロールできる
●デメリット
・制作のための人的リソース確保が必要
・ライティングやデザインのノウハウがなければ作成が困難な場合がある
■ホワイトペーパーを外注する場合
●メリット
・タイトなスケジュールでも制作できる
・制作にかかる社内のリソースを節約できる
●デメリット
・期待どおりの内容を作るためのディレクションが必要になる
・外注先のメンバーにも理解できるように、社内のノウハウを棚卸しする必要がある
高品質なホワイトペーパーを作るには、内容の作り込みだけでなく、文章や見た目を洗練させることも重要です。
そのため、資料の作り込みに時間がかかりそうな場合は、デザインなど制作の一部を外部の会社に依頼するとよいでしょう。
ホワイトペーパーを作る場合は、あらためて「今、本当にホワイトペーパーを作る必要があるのか」を考えるのも重要です。
見込み客との関係構築を目的とするのであれば、ホワイトペーパーの提供以外にも、自社セミナーを開催したり、製品の無料お試し版を配布したりといったアプローチも考えられます。
ホワイトペーパーとはあくまでも、見込み客の創出や関係性構築のためのひとつの手段に過ぎないことを覚えておきましょう。
8.ホワイトペーパーの共有や作成に役立つ「Adobe Acrobat オンラインツール」
ホワイトペーパーは、Microsoft PowerPointを使って作られたスライドやMicrosoft Wordで作られたドキュメントを、PDF形式にして提供することが多いです。
PowerPointやWordで作られたファイルをカンタンにPDF形式に変換できるツールが、Adobe Acrobat オンラインツールです。
Acrobat オンラインツールのPDF変換機能を使えば、PowerPointやWordのファイルをドラッグ&ドロップするだけでPDFに変換できます。
また、PDF圧縮機能を使えば、変換後のファイルを軽量化できます。
ファイル容量を軽くしておけば、ファイルがダウンロードされた際に相手のデバイスの容量を圧迫しません。
また、ダウンロードにかかる時間も短くなります。
ホワイトペーパーを作成する際には、ぜひAcrobat オンラインツールをご活用ください。
なお、Acrobat オンラインツールでは、ホワイトペーパーの作成に役立つ以下のような機能も使用できます。
PDF形式のホワイトペーパーをPowerPoint形式に変換し、PowerPoint上で再編集できるようにします。
PDFにしたホワイトペーパーをJPGやPNG画像に変換することで、Webページ上に画像として埋め込めます。
複数のホワイトペーパーをひとまとめにできます。
既存のホワイトペーパーから、情報が古くなったページを削除できます。
PDFのページ順序を入れ替え、ホワイトペーパーの構成を変更できます。
既存のホワイトペーパーに、新しく作ったページを追加できます。
各機能の詳しい使い方については、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
以下の記事では、Acrobat オンラインツールで使える全機能をわかりやすく1ページで解説しています。
9.対象顧客にとって有益なホワイトペーパーを提供し、自社の売上向上につなげよう
ホワイトペーパーは制作に手間と時間がかかりますが、対象顧客にとって有益な資料であれば、顧客との関係構築や企業イメージの向上など、ビジネス上の大きなメリットが得られます。
また、ホワイトペーパーはマーケティングだけでなく、営業や社内教育などでも利用できる情報資産です。
ぜひ本記事を参考に、ホワイトペーパーの作成にチャレンジしてみてください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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