失敗しないマニュアル作成のコツ【作成手順から運用の流れまで】
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ビジネスシーンにおいて重要な役割を果たす「マニュアル」。
わかりやすくて使いやすいマニュアルがあると、業務の引き継ぎや新人教育など、様々な場面で役立ちます。
しかし、いざマニュアルを作るとなると、どのような手順で作ればよいのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マニュアルの作成手順や、作成時の注意点、さらには運用時のポイントまで解説していきます。
本記事をお読みいただければ、マニュアル作成に失敗しないためのノウハウがわかります。
マニュアルには社内向けと顧客向けがある
マニュアルの作成手順を見る前に、「マニュアルとは何か」を確認しておきましょう。
マニュアルとは、「業務を行う手順」や「製品の操作方法」など、特定のプロセスについての包括的なガイドです。
一般的には「社内向け」と「顧客向け」に分かれます。
社内向けマニュアルは、特定の業務や作業について、背景や全体像、手順、ルールなどをまとめるケースが多いでしょう。
一方、顧客向けマニュアルは、特定の製品やサービスについて、機能や特徴、使用方法、注意事項などを記載するのが一般的です。
1.企画の目的、概要
はじめに、企画書の結論となる「企画の目的、概要」を記載しましょう。
冒頭に結論が示されていれば、読み手は企画書の全体像を把握できるので、そのあとの内容をスムーズに理解しやすくなります。
「企画の目的」は、なるべく具体的な数値を入れて記載しましょう。
「企画を採用することにどのようなメリットがあるのか」を、読み手がイメージしやすくなるからです。
そして「企画の概要」として、「目的を達成するためにどのような施策を実施するのか」を示します。
まずは大まかな全体像を示し、詳しい内容は「施策の詳細」のパートで記載しましょう。
以下の画像は、コーヒーショップでキャンペーンを企画する場合の目的、概要の例です。
■社内向けマニュアルの例
販売業:接客やレジ操作などのマニュアル
営業:商談やテレアポなどのマニュアル
■顧客向けのマニュアルの例
有形商材:家電製品やパソコンなどのマニュアル
無形商材:ソフトウェアやオンラインサービスなどのマニュアル
マニュアルを作成するメリット
わかりやすくて使いやすいマニュアルを作成すれば、ビジネスにおいて多くのメリットが得られます。
社内向けと顧客向けに分けて、それぞれのメリットを見ていきましょう。
社内向けマニュアルを作る4つのメリット
【社内向けのメリット1】業務の品質が安定する
業務に関するマニュアルがないと、関係者のあいだで知識のバラつきが生じます。
その結果、人によって業務への取り組み方に差が出てしまい、品質が不安定になってしまうでしょう。
しかし、マニュアルを作成し、関係者全員が参照するようになれば、業務に関する認識を統一できます。
誰が行っても一定水準の結果を得られるようになり、業務の品質が安定するのです。
また、作業の抜け漏れ防止や、事故のリスク低減などにもつながります。
【社内向けのメリット2】業務の属人化を防げる
特定の業務について、担当者しか知らない情報があることは、企業にとってリスクとなります。
例えば、担当者の不在時になんらかの問題が起きてしまうと、他の人では対応できなくなってしまいます。
マニュアルを作成し、情報を共有できるようにすれば、業務の属人化を防ぐことができます。
緊急時に担当者以外の人でも対応できるようになるので、リスクヘッジとなるのです。
また、業務に関する手順やルールを「見える化」することで、第三者からフィードバックしやすくなり、業務の改善にもつながります。
【社内向けのメリット3】社員教育を効率化できる
社員教育をする際、本人がマニュアルを読めば理解できるようなことを、上司や先輩社員がわざわざ説明するのは非効率です。
また、新入社員の立場で考えても、一度説明を受けただけで内容を完全に記憶するのは難しいものです。
これまで口頭だけで指導していたことをマニュアル化して、社員が自己学習できる仕組みを整えれば、部下や後輩を指導する負担を軽減できます。
その結果、社内教育が効率化され、浮いた時間をほかの業務にあてられるようになります。
とくに、新入社員向けのマニュアルを作成することは、コストパフォーマンスが高い場合が多いです。
なぜなら、入社時に説明することは基礎的な内容が多いため、マニュアルとして落とし込みやすく、社員教育の大幅な効率化を期待できるからです。
【社内向けのメリット4】社員教育の品質を均一化できる
社員教育が属人化している場合、指導する人の知識や教え方によって、社員の成長スピードが変わってきてしまいます。
ときには、それが社員の不満につながってしまう場合もあります。
社員教育の品質を均一化できることも、マニュアルを作成するメリットと言えます。
先ほど述べたとおり、とりわけ新入社員の教育においてはマニュアルを整備し、平等にスタートダッシュを切れるようにしておくことが望ましいでしょう。
顧客向けマニュアルを作る2つのメリット
【顧客向けのメリット1】顧客満足度が向上する
マニュアルが整っていないと、何らかの疑問や問題が生じたとき、顧客は販売元へ問い合わせる必要があります。
そのたびに手間や時間がかかるので、不満を抱えやすくなってしまいます。
マニュアルを充実させれば、顧客自身で問題を解決できることが多くなり、顧客満足度の向上につながります。
【顧客向けのメリット2】カスタマーサポートの負担を軽減できる
顧客にマニュアルを参照してもらうことで、自己解決できることが増えれば、顧客からの問い合わせ件数が減少します。
その結果、カスタマーサポートにかかる時間と労力を軽減することができます。
また、基礎的な質問の件数が減れば、マニュアルでは解決できない問題を抱えたユーザーを、より手厚くサポートできるようになります。
手順書やチェックリストとの違い
マニュアルと似たものに「手順書」や「チェックリスト」があります。
「特定のプロセスについてのガイドを提供する」という目的は共通していますが、それぞれに特徴があり用途も異なります。
混同しないよう、3つの違いを押さえておきましょう。
1.手順書
特定の作業の手順を示しながら、各工程での具体的なやり方をまとめた文書。
作業の手順を統一化し、誰が行っても同じ結果を得られるようにするために作る。
(例:ソフトウェアのインストール方法や、経費精算の申請方法などをまとめる)
2.チェックリスト
特定の作業において、作業中や作業完了後に確認すべき項目をまとめたリスト。
作業の抜け漏れを防ぎ、正確さを保つために作る。
(例:入社手続きの対応事項や、セキュリティチェックの確認事項などをまとめる)
3.マニュアル
業務を円滑に進めるために、様々な情報を体系的にまとめたガイド。
手順書やチェックリストが含まれることもある。
(例:業務の背景や全体像、製品の特徴や注意事項なども含めて説明する)
ここまで、マニュアルの概要についてご紹介してきました。
続いて、実際にマニュアルを作成する手順について解説していきます。
マニュアルの作成手順
マニュアルを作成するときは、どのような手順で作るかが重要です。
効率的なステップを踏むことで、よりスピーディーに、完成度の高いマニュアルを作成できます。
以下、4つのステップを順に見ていきましょう。
1.対象者と目的を明確にする
2.構成や目次を決める
3.詳細な内容を作成する
4.フォーマット(形式)を決める
【ステップ1】対象者と目的を明確にする
はじめに、これから作るマニュアルの「対象者」と「目的」を明確にしましょう。
対象者と目的に応じて、マニュアルの構成や内容、書き方が決まるからです。
対象者とは、「マニュアルを使ってほしい相手」のことです。
社内向けであれば、アルバイト、新入社員、中堅社員などの「立場」や、販売、営業、広報などの「職種」の違いで決めるとよいでしょう。
もちろん、全社員共通のマニュアルを作るケースもあります。
一方、顧客向けであれば、製品やサービス、プラン、バージョンなどによって対象となる顧客を定めます。
目的とは、「対象者にどのような状態になってほしいか」ということです。
何のためにマニュアルを作成するのかを明確にします。
例えば、以下のような目的が考えられます。
・アルバイトのスタッフに、レジ操作をできるようになってほしい
・新入社員に、テレアポをできるようになってほしい
・顧客に、製品やサービスの操作方法を理解してほしい
【ステップ2】構成や目次を決める
次に、構成や目次などのアウトラインを決めます。
詳細な内容を作る前にアウトラインを決めておけば、全体の流れがスムーズなマニュアルを作成しやすくなります。
マニュアル全体を通して、どのような内容を、どのような順序で配置すればわかりやすいのかを検討しましょう。
例えば、業務中に対応する場面や問い合わせが多い内容は、マニュアルの前半で書いておき、対応頻度が少ない内容については後半に書いておくと、利用者が参照しやすくなります。
【ステップ3】詳細な内容を作成する
構成や目次が決まったら、いよいよ詳細な内容を作成していきます。
社内のノウハウやルールなどの情報を整理し、なるべく具体的な文章で書きましょう。
なお、言葉だけで伝えにくい内容は、文章だけで説明しようとせず、写真やイラストなども掲載するとよいでしょう。
例えば、レジ操作の手順説明であれば、操作画面の写真も載せることで、初めて機械を触るスタッフでも迷わず操作できるようになります。
文章を書き終えたら、誤字脱字をチェックし、推敲してください。
他の人にチェックしてもらい、フィードバックをもらうことも重要です。
可能であれば、マニュアルの対象者に実際に使ってもらい、実用的な内容になっているか確認してもらうことをオススメします。
内容に過不足があれば修正し、必要に応じて構成や目次も調整しましょう。
【ステップ4】フォーマット(形式)を決める
最後に、フォーマット(形式)を決めて、マニュアルの体裁を整えましょう。
ページによって見た目がバラバラだと見にくくなってしまうので、以下のような項目でルールを統一して反映します。
●レイアウト
手順ごとに画像と文章をセットで掲載する、など
●文字サイズ
見出しや本文の文字サイズ、など
●文字の装飾
見出しのスタイル、強調する文字の色、など
●文体
ですます調、である調、など
●その他
改行の使い方、余白の大きさ、など
以上、マニュアルの作成手順をご紹介しました。
マニュアル作成時の4つの注意点
続いて、マニュアルを作成する際に注意すべき点を4つご紹介します。
これらの点に留意すれば、マニュアル作成に失敗するリスクを下げることが可能です。
【注意点1】作成スケジュールを決める
マニュアルを作成するときは、期限から逆算して、作成のスケジュールを決めましょう。
例えば、新入社員用のマニュアルであれば、入社までに間に合うように作らなければなりません。
必要なタイミングまでに、どのようなペースで作成すべきかを把握することが重要です。
なお、当初の予定どおりに進まない可能性も想定し、ある程度の余裕をもたせて作成スケジュールを組んだほうがよいでしょう。
【注意点2】対象者や目的に合わせた内容にする
マニュアルの書き方は、対象者の立場や知識レベルに合わせましょう。
読んだ人が理解しやすい文章を心がけ、用語の選び方にも気を配れば、より実用的なマニュアルとなります。
例えば、顧客向けのマニュアルであれば、専門用語の使用は避けたり、難しい用語には補足説明を加えるなどの配慮が必要です。
また、マニュアルの内容は、目的を達成するために必要な範囲にとどめましょう。
余計な情報まで盛り込まないように注意が必要です。
例えば、「アルバイトのスタッフに、レジ操作をできるようになってほしい」という目的にもかかわらず、接客や清掃のことまで含めてしまうと内容がブレてしまいます。
目的から逸れるような内容は、別のマニュアルとして作成しましょう。
【注意点3】目次から目当ての情報を探しやすくする
使いやすいマニュアルにするためは、目次(見出し)から目当ての情報を探しやすくすることが重要です。
目次(見出し)に適切なキーワードを入れて、その章の内容がわかるようにしましょう。
このとき、見出しとその章の中身は必ず一致させてください。
例えば、「ログイン方法」という見出しの中で、アカウントの作成方法まで解説してしまうのはNGです。
アカウントの作成方法だけを知りたい人にとっては、どこに自分の欲しい情報が載っているのか見分けがつかず、わかりにくい目次となってしまいます。
このケースでは、「ログイン方法」と「アカウントの作成方法」という見出しで分けたほうがよいでしょう。
また、目次の項目数が多い場合は、階層構造にすることをオススメします。
すべての目次が並列関係だと、全体像が把握しづらく、目当ての情報を見付けづらくなってしまうからです。
【注意点4】はじめから完璧を目指さない
マニュアルの作成は、はじめから完璧な状態を目指すと時間ばかりかかってしまい、運用開始が遅れてしまいがちです。
とくに、社内向けマニュアルであれば、運用しながら加筆修正するほうがよい場合もあります。
どこまで作り込んでから運用を開始するのかは、状況や目的に応じて判断しましょう。
ただし、重大な事故やトラブルにつながる可能性がある内容を扱う場合は、はじめから正確で十分な内容を作成する必要があります。
以上、マニュアル作成時の注意点を4つご紹介しました。
マニュアル運用を成功させる4つのポイント
ここからは、マニュアルの運用時に押さえるべきポイントを4つご紹介します。
マニュアルは、作成したら終わりではなく、どうやって運用するかを考えることも重要です。
【ポイント1】閲覧しやすい場所に保管する
マニュアルがどこにあるかわからなかったり、いざという時にすぐ開けなかったりする状態では、次第に使われなくなってしまいます。
例えば、以下のように利用者が閲覧しやすいところに保管しましょう。
・社内向けの接客マニュアルであれば、店舗のバックヤードに置いておく
・会社のクラウド上に、マニュアル専用の共有フォルダをつくる
・オンラインサービスの顧客向けマニュアルであれば、Webサイトの目立つところにリンクを設置する
【ポイント2】マニュアルの利用を促進する
マニュアルを作成し、関係者に共有しただけでは、なかなか意図したように使ってもらえないこともあります。
適切に活用されるようになるまで、積極的に利用を促進することが大事です。
例えば、以下のような働きかけが考えられます。
・部下を指導する際、マニュアルの該当ページを引用して説明する
・マニュアルを活用した社内研修や勉強会を開催する
・使わない理由を利用者からヒアリングして、原因を改善する
ただし、マニュアルを利用してもらうことはあくまでも「手段」です。
手段が目的化しないよう、マニュアルを通じて何を達成したいのかを意識しましょう。
【ポイント3】必要に応じて更新する
マニュアルは、完成したあとも、必要に応じて更新しましょう。
業務手順に変更が生じた場合や、オンラインサービスの仕様が変更になった場合などは、迅速に更新する必要があります。
更新内容は、利用者にすぐに通知して、最新版のマニュアルを利用するよう促しましょう。
なお、更新履歴(更新日時、更新箇所、更新内容など)は残すようにしてください。
更新履歴を残しておけば、更新内容になんらかの問題があった際、すぐに以前のバージョンに戻せます。
更新前のデータのバックアップを取っておくと安心です。
【ポイント4】フィードバックを受けて改善する
マニュアルを作成するにあたって、はじめから完璧に仕上げるのは難しいものです。
そのため、運用し始めてから、利用者の声に応じて改善し続けることが重要となります。
社内向けマニュアルであれば、実際にマニュアルを使用している現場の人から適宜フィードバックしてもらいましょう。
「手順の説明が抽象的でわかりにくい」「内容が実際の現場感覚とズレている」など、思わぬ改善点が見つかるものです。
顧客向けマニュアルであれば、顧客からフィードバックを受け取れる仕組みをつくりましょう。
例えば、オンラインマニュアルの場合は、各ページの下部にアンケートフォームへの導線を設置するなどの方法が考えられます。
最後に、マニュアルの配布時に役立つ情報をご紹介します。
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はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
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(執筆:ウェブライダー)
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